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饗庭篁村 「木曾道中記」
...山内謙三は、チヨコナンと人形の様に坐つて、時々死んだ様に力のない咳をし乍ら、狡(ずる)さうな眼を輝かして穏(おとな)しく聞いてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...いにしへの詩人のやうに謙遜な心を持つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...自分でやったらいいじゃねえか」「あたしはモサナシだから」「ご謙遜(けんそん)……」百成の口真似をして...
高見順 「いやな感じ」
...それは謙作が見慣れている支那街の色彩であった...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...謙作は宜(い)い気もちになって衣兜(かくし)から敷島(しきしま)の袋を出し...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...奥様がどんなにお待ちしているか判りませんわ」謙作は不思議に思ってその方を見た...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...春琴を九天の高さに持ち上げ百歩も二百歩も謙(へりくだ)っていた佐助であるからかかる言葉をそのまま受け取る訳には行かないが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...錢謙益及その族孫錢曾...
内藤湖南 「藏書家の話」
...謙信よりも信玄の方が苦手かも知れぬ」こんな話をして小山田備中の城...
中里介山 「大菩薩峠」
...「謙一さんは、いつまた東京へくるの?」「さうね、一週間ぐらゐしてかな、向ふへ行くのは二月の末か三月の始めだから、まだ、度々こゝへはやつて來ますよ‥‥」「やつてこなくてもいゝわ」「どうして?」「どうしてでも‥‥あなたは、自分でどんどん何でもおやりになれるし、ちやんと方向がきまつてゐて安心ぢやないの? 私は、もうこゝで死ぬる日を待つてるだけだもの、來てくれなくつてもいゝの‥‥」「このごろ、埼ちやんは、どうかしてるよ...
林芙美子 「就職」
...長謙さんはドレスコートの襟に赤いカアネーションの花をつけたりして...
久生十蘭 「だいこん」
...その日、参集した蘭方医家の主なる者は、長崎仕立のほうでは、伊東玄朴をはじめとして、竹内玄洞、本間玄調、入沢貞意、戸塚静海、石井宗謙、江戸仕立のほうでは箕作阮甫、高須松寧、大槻俊斎、坪井信良、川本幸民などで、いずれも蘭法で一家をなした大家名手ばかりであったが、如何せん経験のないことで、これぞという成案もなかった...
久生十蘭 「玉取物語」
...余計な謙遜はしたくない...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...謙譲な 一人の侍女それ等の果物を一つ一つみのるがまま...
宮本百合子 「五月の空」
...謙遜な美しい微笑を泛べながら東野の方を見てやはりまだ立ちつづけていた...
横光利一 「旅愁」
...いかに謙信の烱眼(けいがん)でもまだ分明していないわけである...
吉川英治 「上杉謙信」
...徐州の陶謙(とうけん)とは親しい間がらとみえるね...
吉川英治 「三国志」
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