...軽妙な諧謔を弄(ろう)する度に...
芥川龍之介 「山鴫」
...」諧謔作家は咽喉(いんこう)を締められた鴎のやうな声を出した...
薄田泣菫 「茶話」
...このぶるじょあ的諧謔(かいぎゃく)は彼には通じないようだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...宗教的又道徳的諧謔性等を見よ)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...浮世絵には思付きの妙あり芝居には滑稽(こっけい)諧謔(かいぎゃく)なくんばあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...之も前と同じ時の賛歌で同じく梅に因んでの諧謔である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...謙遜と諧謔と憧憬とをプレトン派に学び...
牧野信一 「熱い風」
...ところが私が笑つた結果は単に二人の間を諧謔的なものにしてしまつたより他に照子へは何の反応もありません...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...私はその諧謔の単なる一落語家の空想ならず...
正岡容 「東京万花鏡」
...なんとおびただしい線の諧謔があることか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...持って生れた諧謔味(かいぎゃくみ)が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...或は何人かの悪謔に出でたらしくも思つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...こうした何でもない諧謔(かいぎゃく)の中からマザマザと輝やき現われるのを感じた一刹那(せつな)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...待ち伏せしたと申した方が当っておるやも知れん」因幡守の諧謔(かいぎゃく)に...
吉川英治 「大岡越前」
...諧謔(かいぎゃく)を交じえて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...諧謔で相手の言い草をひっくり返すというような機鋒はなかなか鋭かったが...
和辻哲郎 「漱石の人物」
...そうして手ざわりのいい諧謔(かいぎゃく)をもって柔らかくその問題を包む(もちろん心の問題でもそれが個人的関係に即してではなく一つの人生観...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
...我々は先生の人格が諧謔を通じて柔らかく現われるのを見る時...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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