...静謐(しず)けさのさなかで生きもののような月の息づかいが手にとるように聞え...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...英国にて日曜の静謐なるときは...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...天下静謐(せいひつ)の折柄...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸御府内の静謐(せいひつ)を念としている長十郎にとっては...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天下靜謐(せいひつ)のためと存じます」「成程そんな事もあらう」笹野新三郎はうなづきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一應天下靜謐(せいひつ)となると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御膝元の靜謐(せいひつ)は心もとないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今こそ大空は深い静謐(せいひつ)を湛(たた)えているのだ...
原民喜 「廃墟から」
...上州の片隅に勉学に沈潜する静謐(せいひつ)な世界が存在したとは...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...黄昏の單一な靜謐に領せられてゐる畫面の上をあちらこちらにと移動してゐるやうに見えるほど...
堀辰雄 「夏の手紙」
...十一月の夜をこめて 雪はふる 雪はふる黄色なランプの灯の洩れる 私の窗にたづね寄る 雪の子供ら小さな手が玻璃戸を敲く 玻璃戸を敲く 敲く さうしてそこに息絶える 私は聽く 彼らの歌の 靜謐 靜謐 靜謐...
三好達治 「雪」
...それは廻り澄む三つの独楽が今や将に相触れむとする刹那の静謐である...
室生犀星 「愛の詩集」
...扉の内部にあるあの世の平和と静謐(せいひつ)と規律と...
室生犀星 「みずうみ」
...屋舎が倒れて正弘の夫人松平氏謐子(しづこ)の侍女七人はこれに死した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...緊張し切った大衆は炎に驟雨(しゅうう)が来たかのような静謐(せいひつ)に返ってしまった...
吉川英治 「剣難女難」
...天下静謐(せいひつ)のため...
吉川英治 「私本太平記」
...天下を静謐(せいひつ)に帰(き)するためにはだ...
吉川英治 「私本太平記」
...「東国の逆乱もすみやかな静謐(せいひつ)を見...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索