...赤木は即座に妙な句ばかりつづけさまに諳誦した...
芥川龍之介 「飯田蛇笏」
...近眼鏡(きんがんきょう)をかけた住職は国定教科書を諳誦(あんしょう)するように提婆品(だいばぼん)か何かを読み上げている...
芥川龍之介 「文章」
...祈の詞をばわれ善く諳(そらん)じて洩らすことなかりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それは人間には一寸諳(そら)では画かれない線だつた...
犬養健 「朧夜」
...七歳頃から『八犬伝』の挿絵を反覆して犬士の名ぐらいは義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共に諳(そら)んじていた...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...今の「木製の人形」に出ている十人のレビュー・ガールの名前を胸のうちに諳(そら)んじた...
海野十三 「間諜座事件」
...病人は細かい地名までことごとく宙で諳(そらん)じているのであった...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...詩人たちが古来述べているように(そういう詩の幾多の文句を陪審官諸氏が一語一語舌端に諳(そら)んじておられるであろうことを自分はよく知っているが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...文化八年二月の「諳厄利亞興學小筌」(英語小辭典のこと)及び同年九月...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...かわいい鸚鵡(おうむ)のように文句を諳誦して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...よく諳記してゐるオペラRigoretto(リゴレツト)の處々を何といふ事もなく彈きつゞけた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...御用聞の平次ならずとも大方諳(そら)んじて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私が諳(そら)んじて居る限りの...
野村胡堂 「天才兄妹」
...地理の諳誦(あんしょう)のためにされた新体詩とか...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...諳記に慣らされてゐないので...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...中にも大鉄椎伝(だいてっついでん)は全文を諳誦(あんしょう)することが出来る程であった...
森鴎外 「雁」
...却って器械的に諳(そら)んじなくてはならぬ語格の規則に悩まされたのは...
森鴎外 「二人の友」
...また善く法典を諳(そらん)じて獄を斷ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ...
森鴎外 「舞姫」
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