...僕をして過たしめたものは実は君の諳誦なんだからな」とやっと冷笑を投げ返した...
芥川龍之介 「飯田蛇笏」
...近眼鏡(きんがんきょう)をかけた住職は国定教科書を諳誦(あんしょう)するように提婆品(だいばぼん)か何かを読み上げている...
芥川龍之介 「文章」
...諳(そらん)じたるまゝの説教をなしき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...何という人が住んでいるということを諳(そら)んじて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...諳(そら)に聞(き)きほくる石廻廊(いしわたどの)のたたずまひ...
薄田淳介 「白羊宮」
...本屋から千葉の住所を諳記して来てかきとって置いたのが去年の八月である...
太宰治 「虚構の春」
...鬼どもの話だけはすっかり諳誦していて...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼は諳誦(あんしょう)の手伝いをしてやろうと言い出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...諳誦しながら始終頭を振っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...共和二年の憲法も諳(そら)んじてる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...よく諳記してゐるオペラRigoretto(リゴレツト)の處々を何といふ事もなく彈きつゞけた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...片言隻句までも諳(そら)んじて居ります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...彼女は殆んど全部諳(そら)で憶えていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...歴史や文法その他の諳誦が一時間程行はれ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...初対面の相手に自己紹介も抜きにして――私がその顔を諳(そらん)じていなければならない理由でもあると言うのだろうか? 私は急に不愉快に感じながら訊き返した...
松濤明 「一つのエチケット」
...事務に諳錬(あんれん)した六十余の老人であった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...片(かた)ッ端(ぱし)から一冊分丸諳記さ...
夢野久作 「焦点を合せる」
...諳記した奴は引っペガして...
夢野久作 「焦点を合せる」
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