...太平記を拾いよみに諳記(そら)でやるくらい話がおもしろい爺様(じいさま)だから...
泉鏡花 「縁結び」
...あるいは街談口説(くぜつ)の舌頭(ぜっとう)に上(のぼ)って伝播された名でないのにかかわらず児童走卒にさえ諳んぜられている...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...今の「木製の人形」に出ている十人のレビュー・ガールの名前を胸のうちに諳(そら)んじた...
海野十三 「間諜座事件」
...子供の癖にちゃんと諳(そら)んじているらしく...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...病人は細かい地名までことごとく宙で諳(そらん)じているのであった...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...そうしたら余人(よじん)はともかくお前にだけはこの顔を見られねばならぬと勝気な春琴も意地が挫(くじ)けたかついぞないことに涙(なみだ)を流し繃帯の上からしきりに両眼を押(お)し拭(ぬぐ)えば佐助も諳然(あんぜん)として云うべき言葉なく共に嗚咽(おえつ)するばかりであったがようござります...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...よく諳記してゐるオペラRigoretto(リゴレツト)の處々を何といふ事もなく彈きつゞけた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...とうとう何もかも諳誦(あんしょう)してしまいました」「どうれで...
夏目漱石 「草枕」
...伝統的な方法をちゃんと諳(そら)んじていたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...君の小曲を諳誦してしまつた...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...その子は詩篇の中六つも諳誦(あんしよう)してゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...七章を諳誦することと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...諳算(あんざん)をしながら...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...みんなは毎日その石で畳(たた)んだ鼠(ねずみ)いろの床(ゆか)に座(すわ)って古くからの聖歌(せいか)を諳誦(あんしょう)したり兆(ちょう)よりももっと大きな数まで数えたりまた数を互(たがい)に加えたり掛(か)け合せたりするのでした...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...或時諳誦観音普門品...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...また善く法典を諳(そらん)じて獄を断ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ...
森鴎外 「舞姫」
...また善く法典を諳(そらん)じて獄を斷ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ...
森鴎外 「舞姫」
...諳(そら)で読んで聞かせてから...
吉川英治 「江戸三国志」
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