...一時は「水滸伝」の中の一百八人の豪傑の名前を悉く諳記(あんき)してゐたことがある...
芥川龍之介 「愛読書の印象」
...祈の詞をばわれ善く諳(そらん)じて洩らすことなかりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それは人間には一寸諳(そら)では画かれない線だつた...
犬養健 「朧夜」
...ハムレットやマクベスの名は沙翁の伝記の一行をだも読まないものにも諳(そら)んぜられている...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...子供の癖にちゃんと諳(そら)んじているらしく...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...彼はわたしという人間を諳(そら)で知っていたのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...何と彼は文字と書物とを愛したであろう! 読み、諳んじ、愛撫(あいぶ)するだけではあきたらず、それを愛するの余りに、彼は、ギルガメシュ伝説の最古版の粘土板を噛砕(かみくだ)き、水に溶(と)かして飲んでしまったことがある...
中島敦 「文字禍」
...伝統的な方法をちゃんと諳(そら)んじていたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...御用聞の平次ならずとも大方諳(そら)んじて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...君の小曲を諳誦してしまつた...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...その大部分を朗々と諳誦したもので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その子は詩篇の中六つも諳誦(あんしよう)してゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼等が小聲で云ふ諳誦が一緒になつたものであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...七章を諳誦することと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「今度は先生何か詩を諳誦して上げるわ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...諳算(あんざん)をしながら...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...みんなは毎日その石で畳(たた)んだ鼠(ねずみ)いろの床(ゆか)に座(すわ)って古くからの聖歌(せいか)を諳誦(あんしょう)したり兆(ちょう)よりももっと大きな数まで数えたりまた数を互(たがい)に加えたり掛(か)け合せたりするのでした...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...法華経諳誦(あんしょう)というごときことが課せられるに至った...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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