...七歳頃から『八犬伝』の挿絵を反覆して犬士の名ぐらいは義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共に諳(そら)んじていた...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...漢詩愛誦家の中にはママ諳んずるものもあるが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...ちやんと諳(そら)んじてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...諳(そら)に聞(き)きほくる石廻廊(いしわたどの)のたたずまひ...
薄田淳介 「白羊宮」
...そうしたら余人(よじん)はともかくお前にだけはこの顔を見られねばならぬと勝気な春琴も意地が挫(くじ)けたかついぞないことに涙(なみだ)を流し繃帯の上からしきりに両眼を押(お)し拭(ぬぐ)えば佐助も諳然(あんぜん)として云うべき言葉なく共に嗚咽(おえつ)するばかりであったがようござります...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...ちゃんと斯う私は君の手紙を諳記しているよ...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...諳誦しながら始終頭を振っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...翰は夙(つと)に唐宋諸家の中でも殊に王荊公(おうけいこう)の文を諳(そらん)じていたが...
永井荷風 「梅雨晴」
...少女サビツがギルガメシュを慰(なぐさ)めた言葉をも諳(そら)んじている...
中島敦 「文字禍」
...諳(そら)で覺えてしまひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御用聞の平次ならずとも大方諳(そら)んじていたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地理の諳誦(あんしょう)のためにされた新体詩とか...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その中の一節を諳誦したのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その日の短祷(コレクト)の諳誦...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「今度は先生何か詩を諳誦して上げるわ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...諳記さゝれてゐたのだが...
正宗白鳥 「花より団子」
...みんなは毎日その石で畳(たた)んだ鼠(ねずみ)いろの床(ゆか)に座(すわ)って古くからの聖歌(せいか)を諳誦(あんしょう)したり兆(ちょう)よりももっと大きな数まで数えたりまた数を互(たがい)に加えたり掛(か)け合せたりするのでした...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...ヒマラヤ杉のかげにある日だまりのベンチのところで演劇部のものがクリスマスにやる英語芝居の科白(せりふ)を諳誦していた...
「海流」
便利!手書き漢字入力検索