...彼の歌声は諧調が美しく、聞いていて心地よい...
...楽器の諧調を整えるために、チューニングが必要だ...
...この曲の諧調は少し変わっていて、新鮮な感じがする...
...音楽の諧調を楽しむために、コンサートに行くのが好きだ...
...諧調の調和が取れた詩や詞は、言葉の響きも美しい...
...そこにゐる主客いづれもの気持に律動と諧調とを生みつけ...
薄田泣菫 「独楽園」
...声とその諧調(かいちょう)の美とを賞したのだという...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...全体に明るい朗らかな諧調(かいちょう)が一貫している...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...平生は唯美しいとばかりで不注意に見過して居る秋の森の複雜な色の諧調は全く臆病な素人繪かきを途方にくれさせる...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...最も自然に無邪気(インノオセント)なるべき諧調のうちに含まれる心(ハアト)を披瀝した宗教的気分が...
豊島与志雄 「恩人」
...その諧調にのみ込まれてしまう恐れがあることを感じた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...諧調(かいちょう)のとれた低い静かな声で話をしていた...
萩原朔太郎 「猫町」
...喜べこの上もない音楽の諧調――飢に泣く赤ん坊の声...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...いみじき諧調をなして群がりおこる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...諧調ある美しい音に神経が突然快くゆるめられたと思う間もなく...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...灰色と薄桃色と黒との諧調で独特に粋な感覚の世界をつくったマリー・ローランサン...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...揺れあい押しあいつつ眩しいほど雪白の泡となって汀を掩う……これらはすべて或る諧調(かいちょう)をもっていた...
山本周五郎 「新潮記」
...遺伝されて来ている諧調の定型であるかのように思われる...
夢野久作 「能とは何か」
...呂々転々の諧調を極まりなくして...
吉川英治 「剣難女難」
...駕屋の足音も一種の諧調(かいちょう)をもって気持よく聞こえる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...色はたくまずしてさわやかな諧調を保っている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...五重塔の各層を勾配と釣り合いとでただ一本の線にまとめ上げた微妙な諧調...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...互に融け去つても行きさうな淡い諧調は...
和辻哲郎 「月夜の東大寺南大門」
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