...お前が一生祭って置くというのなら……」師匠は快く私の請いを容(い)れてくれました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私を憎むのならばなぜ私の請いを容れて結婚してくれたのだ! 結婚してもいい……結婚してもいいから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...さすがにその請いに任せて彼が帰り来るまでは黙止(もだ)すべき約をばなしつれど...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...あまり勝手な言条(いいぶん)と、罵倒(ばとう)せんずる言(こと)のすでに咽(のど)もとまで出(い)でけるを、実の娘とも思う浪子が一生の浮沈の境と、わずかに飲み込みて、まず問いつ、また説きつ、なだめもし、請いもしつれど、わが事をのみ言い募る先方の耳にはすこしも入らで、かえってそれは入らぬ繰り言(ごと)、こっちの話を浪の実家(さと)に伝えてもらえば要は済むというふうの明らかに見ゆれば、話聞く聞く病める姪(めい)の顔、亡き妹(いもうと)――浪子の実母――の臨終、浪子が父中将の傷心、など胸のうちにあらわれ来たり乱れ去りて、情けなく腹立たしき涙のわれ知らず催し来たれる夫人はきっと容(かたち)をあらため、当家においては御両家の結縁(けちえん)のためにこそ御加勢もいたしつれ、さる不義非情の御加勢は決してできぬこと、良人(おっと)に相談するまでもなくその義は堅くお断わり、ときっぱりとはねつけつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そうするように強請いたしたからです...
久生十蘭 「無月物語」
...そのうち父に許しを請いますが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...出来るだけは完成を急ぎたいので充分に識者の援助を請いたいのである...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...ラ寤(さ)むるを俟(ま)ちて請いて兄弟分と為(な)る...
南方熊楠 「十二支考」
...獄吏に請いて猫を隠し置き...
南方熊楠 「十二支考」
...独逸(どいつ)国より来朝せるベルツ博士にまで診察を請い...
三宅花圃 「藪の鶯」
...李は切に請い、玄機は必ずしも拒まぬので、約束は即時に成就して、数日の後に、李は玄機を城外の林亭(りんてい)に迎え入れた...
森鴎外 「魚玄機」
...長男周碩は生得(しょうとく)不調法(ぶちょうほう)にして仕宦(しかん)に適せぬと称して廃嫡を請い...
森鴎外 「渋江抽斎」
...存生堂からは松山の出張をも請いに遣った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...陸は師匠杵屋勝三郎の勝の字を請い受けて勝久と称し...
森鴎外 「渋江抽斎」
...無礼(なめ)なれどその窓の戸疾(と)くさしてよ」とわれに請いぬ...
森鴎外 「文づかい」
...かえってそういう生活を心から請い求めているものさえ随分たくさんあることを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...血統の不浄な貧しい勘次の父の請いを拒絶した所...
横光利一 「南北」
...でオルガンチノはロレンソをつれて秀吉の許へ土地を請い受けに行った...
和辻哲郎 「鎖国」
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