...さうしてこの成長の意識は或は自欺より生れて自己諂諛となり...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それに人間が皆絶大威力の自然といふ主人の前に媚び諂(へつら)つて...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...彼世人に諂(へつら)うが故に彼の教会に聴衆多しと...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...経文を誦して以て仏に諂(へつら)う...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...上官や同僚がすべて虚偽と諂諛(てんゆ)の便宜主義者のように見えて仕方がなかった...
徳田秋声 「縮図」
...阿媚(あび)と諂佞(てんねい)を捧げるものはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...向うが見えない山気(やまき)でやらかす王政復古も天下の諸侯に綸旨(りんじ)のなンのと勿体ないぞえ神にひとしき尊いお方の勅書を名にして言いたい三昧(ざんまい)我が田へ水引く阿曲(あきょく)の小人トドの詰りは首がないぞえそれに諂(へつら)う末社の奴原(やつばら)得手(えて)に帆揚げる四藩の奸物(かんぶつ)隅の方からソロソロ這(は)い出し濡手で粟取るあわてた根性眉に八の字...
中里介山 「大菩薩峠」
...肩をそびやかして諂(へつら)い笑い...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ピンカートンに木と紙で出来た二人の愛の家の説明を諂(へつら)いながらしてきかせ...
三浦環 「お蝶夫人」
...それからちゅうものは前に倍して繁(しげ)く来り媚び諂(へつら)うに付けて...
南方熊楠 「十二支考」
...心にもない媚び諂いは気持が悪いが...
宮城道雄 「声と性格」
...安ッぽく媚(こ)び諂(へつら)ったことか...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...長史董昭(とうしょう)が諂(おも)ねって彼にこうすすめた...
吉川英治 「三国志」
...諂(へつら)いはせぬぞ――と殊さらに態度を持(じ)して示す――野武士たちの通有性でもあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...媚(こ)び諂(へつら)いも知らないぶっきら棒である...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼の勢力へ諂(へつら)うのはいやだと思った...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...ただ上官への諂(おもね)りや依怙(えこ)ひいきだけに依って保っている存在とはちがう...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...青年に諂(おもね)るかの口吻(こうふん)が強すぎるために...
吉川英治 「源頼朝」
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