...それは又実際文化竈(ぶんかかまど)や華奢(きゃしゃ)な皿小鉢と調和しない悪臭を放っているのに違いなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...装飾的な背景と調和しないことにも不快を感じずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...怎しても菊池君と調和しない樣な氣がするので...
石川啄木 「菊池君」
...人間というものはさまざまの互いに調和しない独立の住民からなる単なる一団体として結局は知られるようになるだろう...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...この互いに調和しない二つの薪たばがこのように一しょにくくりつけられているということ――意識という苦しみの胎の内でこの両極の双生児が絶えず争っていなければならないということが...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...何にしてもこの物臭い風つきは小ざっぱりした部屋の空気に調和しないばかりでなく...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...ピアノの嚴めしく重い形とはどうしても調和しない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...だが、あの古風な、四道将軍時代を思わせるような鎧はいいが、調和しないのは、あのつづらだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...この景色とこの親方とはとうてい調和しない...
夏目漱石 「草枕」
...この鼻とこの顔は到底調和しない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...詩人が調和しないことに存するのだから...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...何一つ調和しない敗者の生活が...
林芙美子 「瀑布」
...そのどれもがまちまちに上げ下げされていたので横の線が相互に調和しない印象を与えていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...伯爵夫人はヴォーケ夫人の服装は本人の思い上がりに調和しないものだと思ったが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...到底(とうてい)日本的の武士を持つて来たのでは調和しないのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...まるで心臓の鼓動が調和しない男が...
水野葉舟 「北国の人」
...理想化(リファイン)された図書館の様式(スタイル)とは全然調和しないばかりでなく...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...……この香水はこのハンカチとは調和しない...
夢野久作 「暗黒公使」
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