...それは又実際文化竈(ぶんかかまど)や華奢(きゃしゃ)な皿小鉢と調和しない悪臭を放っているのに違いなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...泥絵具は絹や鳥の子にはかえって調和しないで...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...人間というものはさまざまの互いに調和しない独立の住民からなる単なる一団体として結局は知られるようになるだろう...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...……京都の町の全體としても、大阪の方から來る物質的壓迫と東京の――わけてもジヤアナリズムから來る思想的文化が渦をまいて、調和しないで、消化されないでゐるやうです...
竹久夢二 「砂がき」
...新聞と生魚!調和しないやうで調和してゐると思ふ...
種田山頭火 「行乞記」
...ここに引用した以外のいろいろな記事が調和しない...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...ピアノの嚴めしく重い形とはどうしても調和しない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...全然其れとは調和しない形式の漢文を以て...
永井荷風 「虫干」
...ヴァイオリンとは少し調和しないようだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...獨り日本の風土氣候と調和しない自分の孤獨を...
萩原朔太郎 「悲しき決鬪」
...何一つ調和しない敗者の生活が...
林芙美子 「瀑布」
...伯爵夫人はヴォーケ夫人の服装は本人の思い上がりに調和しないものだと思ったが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...最も当たり前の支払いとは妙に調和しないところがあった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...自分のそばに立ってはじめてこれからその母と対面しようとして心もち声も顔もはればれとしているような妻をふいとこんな陰鬱(いんうつ)な周囲の光景には少し調和しないように感じ...
堀辰雄 「花を持てる女」
...この家の変に乱れた空気と調和しないので彼は殊更に甘い粗暴を振舞つてゐるのだつた...
牧野信一 「父を売る子」
...到底(とうてい)日本的の武士を持つて来たのでは調和しないのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...その婦人が勝れて美しいといふ方では無かつたけれど四圍と調和しない程粹(いき)なからだつきで...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...理想化(リファイン)された図書館の様式(スタイル)とは全然調和しないばかりでなく...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
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