...それは又実際文化竈(ぶんかかまど)や華奢(きゃしゃ)な皿小鉢と調和しない悪臭を放っているのに違いなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...装飾的な背景と調和しないことにも不快を感じずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...怎しても菊池君と調和しない樣な氣がするので...
石川啄木 「菊池君」
...ここに引用した以外のいろいろな記事が調和しない...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...ピアノの嚴めしく重い形とはどうしても調和しない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...全然其れとは調和しない形式の漢文を以て...
永井荷風 「虫干」
...御前のような夷狄(いてき)は東京にゃ調和しないから早く帰れったら...
夏目漱石 「門」
...こんな気取った分け方はこの机と一向(いっこう)調和しないと思うが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ヴァイオリンとは少し調和しないようだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...獨り日本の風土氣候と調和しない自分の孤獨を...
萩原朔太郎 「悲しき決鬪」
...妙に周圍と調和しないエトランゼのやうな風貌がある...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...堅気(かたぎ)の娘たちとは調和しない奔放(ほんぽう)さがあった...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...そのどれもがまちまちに上げ下げされていたので横の線が相互に調和しない印象を与えていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...伯爵夫人はヴォーケ夫人の服装は本人の思い上がりに調和しないものだと思ったが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...自分のそばに立ってはじめてこれからその母と対面しようとして心もち声も顔もはればれとしているような妻をふいとこんな陰鬱(いんうつ)な周囲の光景には少し調和しないように感じ...
堀辰雄 「花を持てる女」
...その婦人が勝れて美しいといふ方では無かつたけれど四圍と調和しない程粹(いき)なからだつきで...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...理想化(リファイン)された図書館の様式(スタイル)とは全然調和しないばかりでなく...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...やがて場面とおよそ調和しない閑静な響を唯一つ打った...
夢野久作 「暗黒公使」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??