...按ずるに「言海」の著者大槻文彦(おほつきふみひこ)先生は少くとも鳥獣魚貝(ぎよばい)に対する誹謗(ひばう)の性を具へた老学者である...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...故に自ら求むるところなき愛を以つてすれば、彼の敵も、彼の誹謗者も、凡て親愛すべき同胞に相違がないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...「若し人を誹りては...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ただいたずらに世の笑と誹りのうちに六年が経った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その詩を作った士人を誹謗(ひぼう)の罪に問うて獄に繋(つな)いだ...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...七十議会の初頭に行なわれた軍部誹謗も...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...この本が出版された際に提出された反対、抗議、誹謗の内には、この誠実ささえ疑おうとするものも少なくなかったが、私は少なくともこの誠実だけは信じることが出来ると考える...
戸坂潤 「読書法」
...一家の誹謗(ひぼう)的な精神は容易に彼女を餌食(えじき)にしてしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それをどうして誹謗(ひぼう)し得られよう! 幾度も熱火の試練を受け...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...良人を誹(そし)るは済みませぬほどにもう何も言ひませぬ...
樋口一葉 「十三夜」
...こうした高い貴族の中では例のないことであるなどと誹謗(ひぼう)するかもしれぬという遠慮もあり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...誹諧のうちに含まれていなかったことは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...彼はいま周防を誹謗(ひぼう)することでやっきになっている...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...理由のない誹謗(ひぼう)である...
吉川英治 「上杉謙信」
...誰が無名のいくさと誹(そし)りましょうぞ...
吉川英治 「三国志」
...明らかにこれは反信長行為と誹(そし)られる好材料になろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...いつも口賢(くちさかし)く誹謗(ひぼう)する...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...徒(いたずら)に平家の全盛を誹(そし)りちらして身をひがむ者もない...
吉川英治 「源頼朝」
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