...家の別嬪さんは今日誰々に秋波(いろめ)を使つた?』と云ふ樣の事を云はせる...
石川啄木 「菊池君」
...誰々は、判らぬながらも、この邊の一箇所をぽつんと突いて、おのれの慧眼を誇る...
太宰治 「猿面冠者」
...」「えッ? 誰々がやられたんです?」「そいつあ...
戸田豊子 「鋳物工場」
...「何れも、重い役目で、一藩に、範を垂るべき人間でないか」「はい」伊集院平は、膝へ両手を置いて「それで、誰々を、如何ように、処分仕りましょうか――」と、斉興を見た...
直木三十五 「南国太平記」
...「あの人は誰々の線だ」等と云う言葉が最近流行する...
中井正一 「言語は生きている」
...京都へ行って見さっし、長州だといったところで、薩摩だといったところで、江戸のさむらいほど京女に持てるのはありゃしませんぜ、京女に鼠なきをさせるのは、東男(あずまおとこ)に限ったものでゲス」それとは趣を異(こと)にした本所の相生町の老女の家では、南条力が壮士を相手にして、「当時、江戸幕下に人物がないとは言えないのだ、小栗上野(おぐりこうずけ)がある、勝安房(かつあわ)がある、永井玄蕃(げんば)も、水野痴雲(ちうん)も、向山黄村(むこうやまこうそん)、川路聖謨(かわじせいぼ)、その他誰々、当時天下の人物としても恥かしい人物ではないが……なにぶん大廈(たいか)の覆(くつが)える時じゃ、徒(いたず)らに近藤勇、土方歳三輩の蛮勇をして名を成さしむるに至ったのも、天運のめぐる時でぜひもない……それにつけても我々は、亡ぶべきものを亡ぼすと共に、生れ出づべき生命を、永久に意義あるものとしなければならない」二十さてまた、長者町の道庵先生の屋敷の門前では、子供たちがしきりに砂いじりをして遊んでいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰々を抱き込んで一先づ背水の陣を敷き...
牧野信一 「鬼涙村」
...いつまでたっても元ラク町の姐御誰々と...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...晩に着くと言って遣(や)ったばかりで誰々が行くと言わないから満もきっと吃驚(びっくり)するよ...
村井弦斎 「食道楽」
...伊沢氏尚歯会に来集した館松崎以外の老人の誰々なるかが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは其供廻(ともまはり)の誰々であつたかを知らぬが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...キュロンがほかのお客様が誰々であるかを知らされるまではペリアンドロスの宴会に出席することを約束しようとしなかったことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...誰々の作として、それは今日までも続く...
柳宗悦 「工藝の道」
...誰々の作ということが美の根拠にさえなった...
柳宗悦 「工藝の道」
...誰々がそのさまたげをするかはっきりわかっていなかった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...おまえ行って皆を呼んで来い」「誰々を呼びましょうか」「栗原(くりはら)に滑川(なめかわ)に土居金八(どいきんぱち)...
山本周五郎 「松林蝙也」
...誰々か」「そこはよう聞きませぬが...
吉川英治 「私本太平記」
...その部将は、誰々...
吉川英治 「新書太閤記」
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