...渠は小声に抑揚(ふし)をつけて読み出した...
石川啄木 「病院の窓」
...読み出せば、なんとなくこれから不思議な生活へはいることを暗示して、学術探検隊の一行かとも思われる野営(キャンプ)陣営内の喜びをありありと偲ばせていたが、なにせこう断続していたのでは、地点の概念も、その一行の目的もあらゆるものが一切私の想像に単なるヒントを与えるだけの役にしか立たず、なんとも言えぬ落胆(がっかり)さを覚えてくるのであった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...朝から寝ころんで「禅の妙機」と云う本を二三頁読み出すかと思うと...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...田山白雲がその頃では最新版に属する「西洋事情」を読み出したのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...実に永いな」と独(ひと)り言(ごと)のように云ってまた本を読み出した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...顔の前にさかさに拡げて読み出したが...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...急に本棚の中から「ツルゲネーフの散文詩」を取り出し「雀」というところを読み出したところで前回の終りになっていた...
久生十蘭 「魔都」
...故意(わざ)と声高(こわだか)に読み出したが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...車中宇野浩二の「一途の道」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...山川弥千枝の「薔薇は生きてる」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...でも宇野浩二の「文芸三昧」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...間宮茂輔の「柘榴の花」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...今日買ってきたばかりの「プルウスト」を出鱈目(でたらめ)に披(ひら)きながら読み出した...
堀辰雄 「旅の絵」
...別にどれを読み出すということもなしにあちらこちら読んでいた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...「あなたは本を読み出すと夢中なのね...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...そして引き出して来て読み出すと...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ふいと読み出した...
森鴎外 「花子」
...清十郎は読み出した...
吉川英治 「宮本武蔵」
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