...妄(みだり)に予を誣(し)ふるに...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...唯自分と社會とを切り離して考へてばかりゐると自分を誣ひた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...飯は米で焚くと云ふ大切な意識を缺いてゐるのだとさへ誣ひようとするのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この同じ物語を延長した後談が紅葉の『金色夜叉(こんじきやしゃ)』の藍本(らんぽん)であるという説は知らないものがないほど広がってるが実は誣妄(ふぼう)である...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...しかもなお讒誣(ざんぶ)は絶えなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...御説(せつ)に曰(いはく)「凡(およそ)物(もの)方体(はうたい)は(四角なるをいふ)必(かならず)八を以て一を囲(かこ)み円体(ゑんたい)は(丸をいふ)六を以て一を囲(かこ)む定理(ぢやうり)中の定数(ぢやうすう)誣(しふ)べからず」云々...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...右の話(はなし)誣(し)ふべからず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...万物(ばんぶつ)の天理誣(しふ)べからざる事かくのごとしといひければ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...さればたゝりあるといふ口碑(かうひ)の説(せつ)も誣(しゆ)べからず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...廷章の詞は理路整然としていて誣告(じょうだん)でもないようであるから...
田中貢太郎 「竇氏」
...誣言を語らず、誣言に聽かず...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...余は甘んじてその誣うるに任せ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...誣いるのでなければ証明してみろ...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...他人に曲を誣(し)うるものを誹謗と言い...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...更にこれに罪悪を誣(し)いんとす...
穂積陳重 「法窓夜話」
...生き残った人々の間に凡ゆる醜い中傷讒誣が投げ交された...
牧逸馬 「運命のSOS」
...未熟な青年輩(はい)が老成の大家に向って讒誣罵詈(ざんぶばり)の文字を並べたり...
村井弦斎 「食道楽」
...されば逍遙子まことにわれを以て人を誣(し)ふるものとし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
便利!手書き漢字入力検索