...〔譯〕誣(し)ふ可らざる者は人情なり...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...自分にとつては此等の讒誣者此等の誘拐者の行爲をば彼等の立場其儘に是認することはどんなにしても出來ることではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...武人的修養は多く陣中の読書から来るといふも敢て誣言であるまい...
市島春城 「読書八境」
...御説(せつ)に曰(いはく)「凡(およそ)物(もの)方体(はうたい)は(四角なるをいふ)必(かならず)八を以て一を囲(かこ)み円体(ゑんたい)は(丸をいふ)六を以て一を囲(かこ)む定理(ぢやうり)中の定数(ぢやうすう)誣(しふ)べからず」云々...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...西隣の父親のいうことは誣(し)いごとだといって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...直ちに之れを皇室費にも反対するの意を表示したりと誣ひ以て氏を大不敬罪に問はむとしたりしに非ずや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...さりとて全部を誣(し)うるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...今口を極めて李陵を讒誣(ざんぶ)しているのは...
中島敦 「李陵」
...終(つい)には却って相手から誣告(ぶこく)だと云って訴えられた...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...そんなに平和を愛されたあの方を戦争の主謀者だったようにありもしない罪を誣い...
久生十蘭 「だいこん」
...当日より路頭にまよわしめた政府――その政府におぬしらは哀願しようともくろんでおる」「ご家老!」「誣言(ぶげん)か?」と...
本庄陸男 「石狩川」
...生き残った人々の間に凡ゆる醜い中傷讒誣が投げ交された...
牧逸馬 「運命のSOS」
...其讒誣(ざんぶ)を敢(あへ)てした利章と對決するより外に...
森鴎外 「栗山大膳」
...第五に三人の中で讒誣(ざんぶ)に逢ふものがあつたときは...
森鴎外 「栗山大膳」
...加藤家の事件は光正が父を讒誣(ざんぶ)したものとは知れたが...
森鴎外 「栗山大膳」
...又遂(つひ)に余を讒誣(ざんぶ)するに至りぬ...
森鴎外 「舞姫」
...彼の才能を嫉(ねた)む人たちの讒誣(ざんぶ)であった...
山本周五郎 「初蕾」
...いろいろと誣言(ふげん)し教唆(きょうさ)した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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