...次ぎの「穂庵百穂評も誠に手に入つたものとおもひました...
宇野浩二 「茂吉の一面」
...誠に無理でない訳だ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...これが又誠に変てこれんな事柄だったのでございますよ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...大伝記家の出づる誠に百載にしてしかも一人ならんのみとせば彼(か)の擾々たるものも且(しば)らく以て秋夜の一興に値するものとせんか...
津田左右吉 「史論の流行」
...これほど精巧な器械を捨てて顧みないのは誠にもったいないような気がする...
寺田寅彦 「感覚と科学」
...誠に静かな日でした...
寺田寅彦 「先生への通信」
...恐るべき腕に勝ち得てわが船を焚くは誠に難からむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 405『君は誠にアキリュウス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...誠に憑かれた樣な復讐の月日であつた...
中島敦 「盈虚」
...髮の見事さは誠に輝くばかりである...
中島敦 「盈虚」
...章魚(たこ)の木の葉で編んだ新しい呉蓙(ござ)の敷き心地もヒヤヒヤと冷たくて誠に宜しい...
中島敦 「南島譚」
...誠に煙(けむり)のごとく静かに世を去った...
中島敦 「名人伝」
...同君が『社会及国体研究録』の第一号を手渡しつつ「デモクラシーは国体と相反するような考を抱く人があるので誠に嘆かわしいから...
新渡戸稲造 「平民道」
...恐ろしと思ひしより我身は誠にすてたく成りぬ...
一葉 「暗夜」
...鉄拳(かなこぶし)に張たほす勇気はあれども誠に父母いかなる日に失せて何時(いつ)を精進日とも心得なき身の...
樋口一葉 「わかれ道」
...何でも朋友に相談をして見ようと斯(こ)う思うたが、この事も中々易(やす)くないと云(い)うのは、その時の蘭学者全体の考(かんがえ)は、私を始(はじめ)として皆、数年(すねん)の間(あいだ)刻苦(こっく)勉強した蘭学が役に立たないから、丸で之(これ)を棄(す)てゝ仕舞(しまっ)て英学に移ろうとすれば、新(あらた)に元の通りの苦みをもう一度しなければならぬ、誠に情ない、つらい話である、譬(たと)えば五年も三年も水練(すいれん)を勉強して漸(ようや)く泳ぐことが出来るようになった所で、その水練を罷(や)めて今度は木登りを始めようと云うのと同じ事で、以前の勉強が丸で空(くう)になると、斯(こ)う考えたものだから如何(いか)にも決断が六(むず)かしい...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...これ誠に名言で、内典にも大施太子、如意宝珠を竜宮に得、海を渡って少眠(まどろ)む内、諸竜にその珠を盗まれしが、眼覚めて、珠を復(とりかえ)さずばついに空しく帰らじと決心し、一の亀甲を捉(と)って海水を汲み涸(ほ)さんとした...
南方熊楠 「十二支考」
...また誠に美しい色と姿とを持った魚である...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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