...小さな橋の上に佇んで下をほとばしり流れる水から立ち昇る空気に冷されるのは誠に気持がよい...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...さあ一つ、良心にかけて言ってご覧なさい――あなたはこれまでに、誠実で、貞節で、心変りのしそうもない女を、見たことがありますか? あるもんですか! 貞節で心変りのしない女があるとしたら、そりゃ婆さんか、出来そこないぐらいのものさ! 心変りのしない女を捜すぐらいなら、いっそ角のはえた猫か、白い羽のカラスでも捜したほうが、早手まわしですよ!ポポーでは伺いますが、貞節で心変りのしないのは、いったい誰だと仰しゃるんですの? まさか男ではありますまいね?スミルノーフ そりゃ無論、男ですとも!ポポー男ですって! (意地の悪い笑声)貞節で、心変りのしないのが男ですって! おやまあ、なんて珍しいはなしでしょう! (躍起になって)よくもまあ、そんなことが言えたものねえ? 男が貞節で、心変りがしないですって! こうなった以上、はっきり申し上げますけど、わたしが過去現在を通じて知っている男の人のなかで、一ばん立派な人は、亡くなったうちの主人でした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...至誠にして自(みず)から欺かざる人なり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その中にこもっていたなんとも言えぬ誠実さが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お説に従い、身命を賭して、努力仕ります」幕命を受けて、海軍のこと、造船のこと、国防のことを聞きに来た勝安房は、斉彬の熱誠と、知識とに、身体を固くして顫えながら、今の日本の危機を感じ、自分の責任の重さを感じ、それから、斉彬の存在に安心して、心の底からの、畏敬の、挨拶をした...
直木三十五 「南国太平記」
...「誠一君、頭出して見ろ」と田川先生が言った...
永井隆 「この子を残して」
...誠実と熱心が欠けてゐる様だ...
夏目漱石 「それから」
...代助は其時誠太郎を思ひ出(だ)した...
夏目漱石 「それから」
...この頃誠太郎はしきりに玉乗りの稽古(けいこ)をしたがっているが...
夏目漱石 「それから」
...同君が『社会及国体研究録』の第一号を手渡しつつ「デモクラシーは国体と相反するような考を抱く人があるので誠に嘆かわしいから...
新渡戸稲造 「平民道」
...他に頓着しないと云ふのは誠にどうも困つた話であると云ふのは...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...今まで忠誠心が問題になることは一切なく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...人の丹精というものは誠に怖しいものであると思う程の盆栽となったのである...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...それがそこから離別することが人間的誠実とは思われる習慣となり...
宮本百合子 「折たく柴」
...そのお前がその翌日から多少は変るかと思っていたのがいったんそのアパートを離れると相変らずの山田教授で誠実な顔をして進歩と人民民主主義を説き清い家庭の良き夫...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...食欲と言語中枢の関係か――誠 ……その腹がへったを...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...誠に食うのに忙(せわ)しくてこまる...
柳田国男 「木綿以前の事」
...真に国を憂うる忠誠の声とぞんずる...
吉川英治 「三国志」
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