...自らを孤獨の境に置くことの自由を奪はるゝは生活の眞味に徹せむとする個人にとつて誠に非常なる損害である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...上には常緑樹の小さな枝をのせ、緑の竹の繊美な薄板の間から蜜柑の濃い色をのぞかせた、かかる典雅な蜜柑容器を、趣深く並べた店は、誠に美しい...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...これこそ誠に絶好なものであるというので...
海野十三 「あの世から便りをする話」
...彼のつきつめた誠実さに...
田中英光 「さようなら」
...章學誠は百五十年前に於て既に考へて居つたのである...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...誠一が手を引く...
永井隆 「この子を残して」
...その書遺(かきのこ)したものなどを見れば真実正銘(しょうみょう)の漢儒で、殊(こと)に堀河(ほりかわ)の伊藤東涯(いとうとうがい)先生が大信心(だいしんじん)で、誠意誠心、屋漏(おくろう)に愧(は)じずということ許(ばか)り心掛(こころがけ)たものと思われるから、その遺風は自(おのず)から私の家には存して居なければならぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...又美術と云ふものにも誠に昏いのであるから...
藤原咲平 「山岳美觀」
...そこではまた誠實によく愛し返されるであらうから...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...人は神の徳に依って運を添うといいしは誠なるかなとある...
南方熊楠 「十二支考」
...愛の堅忍と誠実とが試みにかけられつつある...
宮本百合子 「現代の主題」
...誠に心持よく合点がいきました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...良心も誠実も抽象的に幽霊として宙に浮いてフラフラしているだけだ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...あのように相異なる行動があのように連綿として相接し、両者の境目継ぎ目にさえ何らの断絶(とぎれ)・何らの変化・も感じられないのは、誠に奇跡である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...能(よ)く精誠の力をもってこれを退去せしめる道があるという言い伝えが...
柳田国男 「海上の道」
...誠実なる援助心と無意識の人生経験とがあったはずで...
柳田国男 「木綿以前の事」
...しかし御誠意と御べんたつとには...
吉川英治 「折々の記」
...この孫権に仕えてからまだ一ぺんの落度すらない誠実な君子...
吉川英治 「三国志」
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