...誠に快刀を以て乱麻をたつの概ありしものの如し...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...だが、誠実に物を造り、誠実にそれを売っていさえすればよいかというと、それだけでは、今の時代は立ち行かない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...牧師は誠実に女房の霊を救おうと思って来たのか...
太宰治 「女の決闘」
...例えば文学には思想などは禁物でなくてはなるまい――だが一体之は誠に妙な結論ではないのか...
戸坂潤 「思想としての文学」
...もし誠実な心にしてそれに気づいたならば...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...誠一が裏から抜け出すような子になったのか! ああ!男子はいつも正門から出入りすべきものぞとは私の小さい時から守ってきた言葉...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...誠に憑(つ)かれた様な復讐の月日であった...
中島敦 「盈虚」
...形は誠に小さいが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...誠(まこと)の愛で...
夏目漱石 「それから」
...かつ右の行動における日本国政府の誠意につき...
蜷川新 「天皇」
...誠に我れは此處をはなれてはいづくへ行かん目的(あて)もなく...
一葉 「暗夜」
...誠に氣の毒千萬なりと云ふ可し...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...この正月そんな女たちの皆から逃れて――無益な、孤獨な、放浪の生活の結果、荒(すさ)んだ、苦々しい氣持で――失望に蝕(むしば)まれ、すべての男に對して、特にすべての女といふものに對して、嫌な氣持を抱いて(何故なら、もう智的な、誠實な、愛らしい女の人に對する觀念を單なる夢と見做しはじめてゐたので)、仕事に呼び返されて、私は英吉利へ歸つて來たのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...誠に有難うございました...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...しかし直ぐに又誠の方を見て喘ぎながら)なんだ? 言ってくれ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...是には誠に柳田なる者も返答に困った...
柳田国男 「木綿以前の事」
...すがすがしいほど純で忠誠一筋な人とはおもう...
吉川英治 「私本太平記」
...その部下はコルテスに忠誠を誓った...
和辻哲郎 「鎖国」
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