...後で筋を考えては誠につまらないものである...
淡島寒月 「活動写真」
...参謀本部の要求はなかなか陸軍省の賛成が得られず(しかも参謀本部の要求も世間の風潮に押されて誠に控え目であった)...
石原莞爾 「戦争史大観」
...力一杯の誠意を見せようとしたこともあるそうだ...
岩野泡鳴 「耽溺」
...五割七分だけが十余万の小売商に残されているという誠に悲惨な有様であります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...誠実の芸術家であるから...
太宰治 「善蔵を思う」
...金と云うものは手を付け出したら誠に早いものですから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...誠二さんの返事はありがたかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...関東軍の土肥原少将の中国側の秦徳純氏との間の誠意ある会見によって...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そうしてそこには散乱したる誠実がすばやく眠りから醒(さ)めて嘲り笑っていた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...代助の考によると、誠実だらうが、熱心だらうが、自分が出来合(できあひ)の奴(やつ)を胸に蓄(たく)はへてゐるんぢやなくつて、石と鉄と触れて火花(ひばな)の出(で)る様に、相手次第で摩擦の具合がうまく行けば、当事者二人(ににん)の間に起るべき現象である...
夏目漱石 「それから」
...彼女に結婚を申込んだ人に前沢誠助(まえざわせいすけ)という青年があった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...「誠にもって道の冥加なり...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...その誠忠は日月とともに燿(かがや)き...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...そこでこれは誠に拙劣な川柳みたような俳句みたようなものですが...
牧野富太郎 「植物記」
...良心も誠実も抽象的に幽霊として宙に浮いてフラフラしているだけだ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...それに第一誠実で...
村井弦斎 「食道楽」
...その誠意は、義経の多感な胸には、ありのまま映(うつ)らずにいなかった...
吉川英治 「源頼朝」
...孔子学派における道の実現は前述のごとくあくまでも衷心の誠意をもってすべきものであるが...
和辻哲郎 「孔子」
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