...『お誂へは?』と反齒(そつぱ)の女中に問はれて...
石川啄木 「病院の窓」
...それに全く誂えむきに...
犬田卯 「沼畔小話集」
...上等の葡萄酒を誂へて置いたぞ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...こいつはお誂(あつら)え向(む)きだ...
海野十三 「柿色の紙風船」
...ここに妾に誂(あとら)へて曰はく...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...「Bifteck pomme」と誂(あつら)へる事に定(き)めてしまつたさうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...他(ほか)に真似手のない特別お誂への態度(やうす)をしなければならぬ事になつてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...お雪が近所で誂(あつら)えた氷を食べながら...
徳田秋声 「爛」
...お誂えのものがなかなか来なかったんですもの...
豊島与志雄 「悪夢」
...彼女はそのお誂えの鮨をむしゃむしゃ食べ初めた...
豊島与志雄 「悪夢」
...全くお誂え向きの程度にまで酔いがさめてくる...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...氷屋の男がお待遠うと云って誂(あつら)えたものを持って来た...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...「出来るものなら三毛の代りに……」「あの教師の所の野良(のら)が死ぬと御誂(おあつら)え通りに参ったんでございますがねえ」御誂え通りになっては...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「暫らく我慢するんだ」丁度誂えたような床柱...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...応挙の下絵を書かせんと誂(あつら)えければ長常諾(うべな)いたり...
南方熊楠 「十二支考」
...それにしても山中は山中に相違のないその静かな環境はピノチオをぢさんにはまことにお誂へ向きの隠れ家かと拝見された...
三好達治 「オルゴール」
...茶人でも誂(あつら)えた品かと思われるほどであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...誂(あつら)え向きのものを持って来てくれたに違いない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索