...改進党と自由党が前議員を再選するように申し合せをしたという……」この家の主人村山半が中央における党の動静を詰る調子で質問した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...詰るところ人民が急に財産を失い...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...」義直は呼吸が詰るやうに苦しかつた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...詰る所は此の人民が貧困に陷り――人民が貧困に陷るのは急激に來る...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...詰らんと言つて議論をするだけそれだけ詰るのである...
田山録弥 「西鶴小論」
...お作は何とはなし気が詰るような思いであった...
徳田秋声 「新世帯」
...小姓二人は直に世子の居間へ前の如く詰るのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そうでなければ馬め自身が行詰るところまで行って...
中里介山 「大菩薩峠」
...兄は詰るやうに云つた...
南部修太郎 「疑惑」
...切羽詰ると思いきったことをするもんだわね……あたしがハンドルを切ったのは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...一体俺は筆を執るにあたつて成りゆきのことなどはあまり意に介しない放縦(ケヤレス・フリードム)に慣れてゐるのだがそんなに脆く行き詰るとは夢にも思はなかつたのさ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...息詰るやうな静かな夜だつた...
牧野信一 「まぼろし」
...うっと喉(のど)へ声の詰るのが聞えた...
山本周五郎 「追いついた夢」
...もう不必要だよ」おなつは息が詰るように思った...
山本周五郎 「契りきぬ」
...せっぱ詰ると暴徒になった...
山本周五郎 「花も刀も」
...息詰るような驚きに打たれて...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...『久し振りうちに帰って、嬶(かかあ)珍らしさに出て来ない』と云われたくないために、こうした見得を張ったもので、詰るところ、こんな江戸ッ子の負け惜みが直接の産児制限となったわけだ...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...どうにもならないやうに行き詰ることが屡々である...
吉川英治 「折々の記」
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