...執念(しふね)くも自分等の新運命を頓挫させた罪を詰るのであつたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...彼は咽喉(のど)の詰る思いをしているかのように絶えず唾をごくりごくりと嚥みこんでいた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...面白いお話を聞かせて戴きましょう」道度は息詰るような気がして顔をまっすぐにすることができなかったが...
田中貢太郎 「黄金の枕」
...詰らんと言つて議論をするだけそれだけ詰るのである...
田山録弥 「西鶴小論」
...之れを彼れに詰る彼れ曰く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今に行き詰ることは眼に見えていた...
豊島与志雄 「死ね!」
...また煙草飲みはこの糠味噌汁を食べぬと脂(やに)が咽に詰るなどといい慣わしていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...と語り来つて感慨に堪えざるものゝ如く凝乎(ぢつ)と手中の写真を見詰るので...
楢崎龍、川田雪山 「千里の駒後日譚拾遺」
...暗い、暑い、息詰る、臭い、ムズムズする、悪ガスと、黴菌に充ちた、水夫室だった...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...息詰るような瞬間...
久生十蘭 「魔都」
...暗に私の無責任を詰るのです...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...息詰るやうな静かな夜だつた...
牧野信一 「まぼろし」
...由て死兒の母を嚴しく詰ると果して其通りだつた...
南方熊楠 「人柱の話」
...詰るところ彼自身の学問に対する良心と...
山本周五郎 「落ち梅記」
...息が詰るわ」「苦しいぐらいがまんするんだ」そう云いながら彼は石から下りた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...おもんちゃん」息詰るような声でおせんは云った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...それは詰るところ無用の努力であった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そのために間隔が詰るのである...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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