...息詰るやうな不安が塊のやうに彼の胸にこみ上げて来た...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...僕の 胸は 息詰る 思ひ!」或晩のこと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼は咽喉(のど)の詰る思いをしているかのように絶えず唾をごくりごくりと嚥みこんでいた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...詰る所は此の人民が貧困に陷り――人民が貧困に陷るのは急激に來る...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...詰らんと言つて議論をするだけそれだけ詰るのである...
田山録弥 「西鶴小論」
...小姓二人は直に世子の居間へ前の如く詰るのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...息が詰るばかりで...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...熊谷三郎兵衛の誕生祝の御座敷だよ」「そいつは気が詰るだろうな」「此方が新聞記者だ...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...真に息詰るような数秒間でした...
浜尾四郎 「死者の権利」
...暗い、暑い、息詰る、臭い、ムズムズする、悪ガスと、黴菌に充ちた、水夫室だった...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...ギッシリ詰ると、自然よく受ける...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何も彼もいちどきに行詰るものだ! と...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...「お前さん方は何処から来なすった」と詰るように訊ねた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...京表から先生及び拙藩の藩論を一身に帯してハルバル下って来た使命をここで打捨てられるつもりか?……どうだ!(言われて加多ウムと言って言句に詰る)ハハハ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...もう不必要だよ」おなつは息が詰るように思った...
山本周五郎 「契りきぬ」
...胸さきの詰るような気持で...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...……ですから詰るところ私は...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...視ているものらは息詰る瞬間の切迫さで皆黙った...
横光利一 「旅愁」
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