...尤もその長所がやがてまた此の小説の短所――詮じつめて言へば著者それ自身の短所のある所である...
石川啄木 「小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息」
...所詮(しょせん)...
海野十三 「地球要塞」
...父たちのなさることを詮議立てしたって何もわからないのが当り前の事ですから...
太宰治 「新ハムレット」
...それ以上の深い詮索(せんさく)をしなかった...
太宰治 「春の盗賊」
...しかしそういうことを今詮索(せんさく)するのはもとより自分の任でもなんでもない...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...今数字で君を退屈させても詮ない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...詮議もせにゃならず...
直木三十五 「南国太平記」
...なにぶんこんなに身体が弱っていた日にゃ所詮(しょせん)遠道は利かねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は入(い)らざる詮義立(せんぎだ)てをして...
夏目漱石 「草枕」
...二十三年前の泥棒なんか詮索しても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼これ詮索(せんさく)立てもいたし兼ねます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「主人が生きて居るうちは慎(つつし)んで居た様ですが、主人が殺されると忽(たちま)ち羽をのして、三日経たないうちから、主人の後家に絡(から)みついて居たというから、佐太郎にも殺されるだけなわけがあったのかも知れませんね」「その佐太郎が殺された晩、吾妻屋の家の者は、一人も外へ出なかった筈だな」「相憎(あいにく)皆んな家に居たそうで、どう詮索しても、佐太郎殺しの下手人は、吾妻屋には居ませんよ」「外に変ったことは?」「何んにもありませんね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...芸術家が芸術を擁護しようとすることは所詮...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...所詮現世拝眉のほどは叶ふまいと決意した昭和十九年七月廿七日...
正岡容 「山の手歳事記」
...呼ぶわけにもゆかないので、そのままにしていると――一番に振られたのが、「本阿弥(ほんあみ)の極(きわ)めつき、堀川国広(ほりかわくにひろ)の脇差(わきざし)、目貫(めぬき)は白魚(しらうお)に蛇籠(じゃかご)、うぶご磨上(すりあ)げなし! ……」と叫ばれた大名物(だいみょうもの)の刀ですが、所詮、ここで見たのでは、小気味が悪くて、金吾の愛刀心もそそられたものではありますまい...
吉川英治 「江戸三国志」
...「政務の主権は義詮(よしあきら)におき...
吉川英治 「私本太平記」
...義詮は時をおかず...
吉川英治 「私本太平記」
...わざと詮議者の眼を惑わそうとたくむものだ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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