...之を詭辯だと云ふものは總ての宗教と哲學とに縁のない人だと云ふことを憚らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...乃(すなわ)ち詭怪(きかい)の多端(たたん)...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...更に居村滅亡の猾策に遭ふも詭弁甘言の惑ハす処となりて自ら陥穽に墜落するを知らざるなり...
田中正造 「非常歎願書」
...哲学的詭弁を弄しない限り...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...自分の詭弁(きべん)を論議せんとしまたはそれを理解せんとして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...とはいへ彼らの老獪な詭弁も到底単純無垢な子供の慈悲心をくらますことができないのをみ...
中勘助 「銀の匙」
...一変して最も詭弁的(きべんてき)なる興味の中心となりぬ...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...どんな巧妙な詭計(トリック)も時の力の前には崩壊することを平次は知っていたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「盗まれた御朱印が偽物」と平次の智恵で彦太郎が披露した詭計(きけい)に引っかかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その出世作「カナリア殺人事件」の重大な詭計(トリック)は...
野村胡堂 「探偵小説と音楽」
...」と言つて詭弁を吐いた佐藤並太郎氏の皮肉に歪んだ顔のあはれさを見るがいい...
北條民雄 「精神のへど」
...あるいは巧妙なる情熱的詭弁によって魔術の金冠のうちに移されてしまったのか...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...(Seneca.)人に此心を賦して其種屬を存續せしむるのは自然の詭謀である...
森鴎外 「古い手帳から」
...詭弁じゃないよそれは...
横光利一 「旅愁」
...一片のかざり気も詭弁(きべん)も思ういとまなくただ真心を以て説いた...
吉川英治 「黒田如水」
...少しも詭弁(きべん)ではありません...
吉川英治 「三国志」
...昨夜の山伏の詭計(きけい)だったか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...小さい卑しい詭計(きけい)が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索