...到底詩興などは起らぬものと知るべし...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...それ物象を明示するは詩興四分の三を没却するものなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...孤独を嘆ずる寂寥(せきりょう)悲哀の思(おもい)はかえって尽きせぬ詩興の泉となっていたからである...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...自炊に似た不便な生活も胸に詩興の湧(わ)く時はさして辛(つら)くはなかった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...しかし詩興はもとより神秘不可思議のもの...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...されば孤独のわびしさを忘れようとしてひたすら詩興の救(すくい)を求めても詩興更に湧き来らぬ時憂傷の情ここに始めて惨憺(さんたん)の極(きょく)に到(いた)るのである...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...詩人平素独り味(あじわ)い誇る処のかの追憶夢想の情とても詩興なければ徒(いたずら)に女々(めめ)しき愚痴(ぐち)となり悔恨の種となるに過ぎまい...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...今の世に在っても往々にして人の詩興を動かす...
永井荷風 「巷の声」
...私は今近世の社会問題からは全く隔離して仮に単独な絵画的詩興の上からのみかかる貧しい町の光景を見る時...
永井荷風 「日和下駄」
...詩興の源泉をいつもこゝから汲み取らうとしてゐた...
永井壮吉 「冬日の窓」
...寂寞と詩興とは一致して離すべからざるものであつたらしい...
永井壮吉 「冬日の窓」
...今なお詩興のおのずから胸中に満ち来るを禁じ得ない...
永井荷風 「向嶋」
...詩興そのものは相変らず独特で...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分たちだけ詩興画趣に陶酔していて...
中里介山 「大菩薩峠」
...いやしくもその詩興を損(そこな)い...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...詩興も湧かない...
橋本多佳子 「椎の実」
...きっと貴女の持っていらっしゃる詩興...
宮本百合子 「大橋房子様へ」
...其五六に「祗役添詩興...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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