...埒もなき家庭談を試みようとの考であったのに...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...正造は縷々三時間にわたる長講を試みて聴衆を嗚咽させた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...よし/\一つ試みて見むと...
大町桂月 「妙義山の五日」
...詩作も試みたが、この方は大成しなかった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...天然的解釈を試み得可きもの...
高木敏雄 「比較神話学」
...之れに依つて徐々に複雜な演出を試みたのであらうと思はれる...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...少し不足になったという評判が立ったので、いままで酒を飲んだ事のない人まで、よろしい、いまのうちに一つ、その酒なるものを飲んで置こう、何事も、経験してみなくては損である、実行しよう、という変な如何(いか)にも小人のもの欲しげな精神から、配給の酒もとにかくいただく、ビヤホオルというところへも一度突撃して、もまれてみたい、何事にも負けてはならぬ、おでんやというものも一つ、試みたい、カフェというところも話には聞いているが、一たいどんな具合いか、いまのうちに是非実験をしてみたい、などというつまらぬ向上心から、いつのまにやら一ぱしの酒飲みになって、お金の無い時には、一目盛の酒を惜しみ、茶柱の立ったウイスキイを喜び、もう、やめられなくなっている人たちも、かなり多いのではないかと私には思われる...
太宰治 「禁酒の心」
...この二人の話を聞いてからなるほどそんな事もあろうかと思って試みに当代ならびにその以前の廟堂(びょうどう)諸侯の骨相を頭の中でレビューしながら「大臣顔」なるものの要素を分析しようと試みたのであった...
寺田寅彦 「自由画稿」
...生理学的な説明が試み得られそうな気がする...
寺田寅彦 「自由画稿」
...試みに思え、今日の世界においては一個人にして平和主義を唱うるのみならず、一部の階級の人々平和主義を唱うるのみならず、すなわち一国を挙げて平和主義を唱うるものあることを...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...退屈な朗読演説を試みたことは有名である...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...われわれが今解剖を試みたかかる魂の状態は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...病気において試みまたは悪習にたいする試みまたは処罰である...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...前述の原理の真実性を証明するのに充分な試みを...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...試みに外国語に訳して見れば分る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...生きんと試みなければならぬ...
堀辰雄 「ヴェランダにて」
...私の試みは本質的には事業の問題ではなくして心情の問題である...
三木清 「語られざる哲学」
...僕は再び脱走を試みようとはしなかった...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
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