...彼は訥弁なので、話しづらい...
...訥弁な人でも、心を込めて話してくれると感動する...
...訥弁というか、少し言葉が詰まりがちだ...
...彼女は訥弁だけど、納得のいく説明ができる...
...訥弁な喋り方が響き渡った...
...破鐘の欠伸する様な訥弁(とつべん)は一歩を進めた...
石川啄木 「雲は天才である」
...訥弁鈍舌の田夫野老をして面前(まのあたり)言(ことば)を呈して人の非を諫めしむると...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...「口重く舌重き」ひどい訥弁(とつべん)で懸命に説いて廻ってかえって皆に迷惑がられ...
太宰治 「風の便り」
...肉体まずしく、訥弁である...
太宰治 「パウロの混乱」
...先生の説くところは極めて平明で疑ひを容れる余地もなく、加之(しかのみならず)、同じ言説を、幾度となく繰り返されるので、流石の陸軍当局も、先生の欺かざる熱意と根気と、終りなき訥弁に、たうとうしびれを切らして、帝大の主旨を諒とするに至つたのださうである...
辰野隆 「浜尾新先生」
...文士でも芸術家ないし芸人でも何か一つ腹に覚えのある人の講演には訥弁(とつべん)雄弁の別なしに聞いていて何かしら親しみを感じ...
寺田寅彦 「柿の種」
...自分は津田君の絵の訥弁な雄弁の方から遥かに多くの印象を得...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...然るに寄附金の募集者に至っては救世軍の大道演舌もよろしく田舎訛の訥弁を振って容易に去らず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...元来僕は訥弁(とつべん)で自分の思って居ることが云えない性(たち)だから...
「落第」
...「訥弁(とつべん)の雄弁」として一世に宣伝された通り...
野村胡堂 「胡堂百話」
...いつも鉱山(やま)のことになると訥弁(とつべん)が能弁(のうべん)になる――というより...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...訥弁(とつべん)ながらやたら無性に陳(なら)べ立てて返答などは更に聞ていぬ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...訥弁(とつべん)でポツリポツリと両親の言伝(ことづて)を述べると...
二葉亭四迷 「平凡」
...と同時にこんな張りのある訥弁(とつべん)の声(こわ)いろが...
正岡容 「小説 圓朝」
...翌日はもう彼の雄弁までも訥弁(とつべん)にしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分の並み外れたしゃがれ声と訥弁(とつべん)を呪(のろ)いながら...
山本周五郎 「青べか物語」
...例のゆっくりした訥弁(とつべん)で...
山本周五郎 「青べか物語」
...例の訥弁(とつべん)で...
吉川英治 「脚」
便利!手書き漢字入力検索