...最も僕の記憶にあるものは冬枯れの躑躅(つつじ)を写せるものなり...
芥川龍之介 「恒藤恭氏」
...僕の記憶にある警察署は古い赤煉瓦(れんぐわ)の建物だつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...一時は筧(かけい)博士の「古神道大義」という私にはむずかしい本を熱心に読んだことも記憶にあるが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...なぜ富貴の家には生れ来ぬぞ……その時先生が送られた手紙の文句はなお記憶にある……其の胆の小なる芥子(けし)の如く其の心の弱きこと芋殻の如し...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...私の記憶にあるのは...
犬田卯 「一老人」
...それは当夜屍体の下敷きになっていたものであることは読者の記憶にあるとおりだ...
海野十三 「地獄の使者」
...老人は彼の記憶にある本当の兄と...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...心は記憶にある肖像画から友人へ思いを進めることはできるけれども...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...散歩に出たりして記憶にあるのです...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...齒のある下駄を穿いて庖丁の手を動かしてゐる姿丈が記憶にある...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...爺いさんの記憶にあるお玉の姿は...
森鴎外 「雁」
...庄吾満之助 中老角左衛門の三男巻野主税(ちから)別家遠江守康時の五男椙村(すぎむら)半三郎 側用人半太夫の二男そのほかには「赤」とか「かんぷり」とか「ずっこ」などいうあだ名が記憶にあるが...
山本周五郎 「菊千代抄」
...それがどうした」と彼は眼をつむったままで記憶にある女を思いうかべながら...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...気がかりだったことも記憶にある...
山本周五郎 「契りきぬ」
...記憶にあるのは、耳もとで囁かれた喉(のど)声と、熱い肌と、小柄で柔軟な躯(からだ)つきだけである...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...それらのうち矢代の記憶にある道条を想像しても...
横光利一 「旅愁」
...かねて城県(うんじょうけん)から諸州へ配付された“宋江人相書”なるものはご記憶にあるはずではございませんか」穴のあくほどじイっと宋江の顔やら風采を見つめていた秦明は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...又八の記憶にある朱実とはひどく違って来たように思われる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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