...ずっと昔私はどこかで僧心越(しんえつ)の描いた墨絵の芙蓉(ふよう)の小軸を見た記憶がある...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...銀座通りを馬車で通る赤服の岩谷天狗松平(いわやてんぐまつへい)氏を見掛けた記憶がある...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...それによく雨水や打ち水がたまって空の光を照り返していたような記憶がある...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...ポンプの下で息を潜めていた記憶がある...
外村繁 「澪標」
...腹を下すと湯や水を禁ぜられた記憶がある...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...いや私の心は記憶があるばかりで...
夏目漱石 「坑夫」
...私は何度となくこのような記憶がある...
林芙美子 「清貧の書」
...この人に迎えに来てもらった記憶がある...
原民喜 「壊滅の序曲」
...久しぶりで昔の晶子調が出て来た珍しさを感じてその当時読んだ記憶がある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そういう記憶があるせいか...
堀辰雄 「雪の上の足跡」
...俺にも古い記憶がある...
牧野信一 「素書」
...三倍も大きな物だったような記憶がある...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...一カ月に七篇や八篇の作品が書けないようでは作家とは言えない」という意味のことを言ったか書いたかしたのを聞いたか読んだかした記憶がある...
三好十郎 「恐怖の季節」
...わたくしはレコードを通してその歌を聴いた記憶があるけれど...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...当時のきりのつけ方について面白い記憶がある...
柳田国男 「故郷七十年」
...記憶があるのかないのか...
山本周五郎 「山彦乙女」
...この家々の紋には御記憶があるはずです...
吉川英治 「私本太平記」
...有馬の湯の脱衣場の大鏡に自分のゲッソリした蒼白な面を映して「これが死ぬ前の顔か」とひとり眺めたほどな記憶がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
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