...」と小声で訊ねる...
石川啄木 「病院の窓」
...道をまちがへてだいぶ無駄足をふんだ(訊ねる家も人もないやうなところで)...
種田山頭火 「行乞記」
...踏切番をしている女に小山というところへ行くのはどう往ったらよいかと訊ねると...
近松秋江 「狂乱」
...物を訊ねる勇気もなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あの甥はどうなりましたか」と訊ねる...
原民喜 「星のわななき」
...そこで私が追ひかぶせてその転居先を訊ねると...
牧野信一 「奇友往来」
...訊ねると、画を習ふなんて云つたのは皆な口実で、斯んな温泉町で遊んでゐたいから皆なを欺して来てしまつたのだ――などゝ答へてゐた...
牧野信一 「競馬の日」
...何の花か知らぬのだが訊ねる間もなく歌ふばかりである...
牧野信一 「サフランの花」
...「どのくらゐ待つたの?」と彼女は先づ訊ねるのが習慣だつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...「リリイは出さないの?」滝本が不図八重に訊ねると...
牧野信一 「南風譜」
...それから、僕が不図、あの医者は一体いくつなのか? と、訊ねると、「齢か?」と倉市が云つた...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...「踊りがないのに何に合してゐるの?」と樽野が囃子方の指揮者に訊ねると「今夜は波が少々高くて此処までも斯んなに響くし...
牧野信一 「円卓子での話」
...いくらで出来るかと訊ねるので...
宮地嘉六 「老残」
...坂本のどこが好きかと、訊ねると、日枝神社の境内にかかつてゐる石の橋だ...
横光利一 「琵琶湖」
...そしてそのまッ先を、韋駄天(いだてん)のように飛んでいたのは、検断所の本庄鬼六だったので、仲時が馬上から呼びかけて、「鬼六、何事か」と、訊ねると、「おっ探題殿ですか...
吉川英治 「私本太平記」
...どうかいたしたので」良平が訊ねると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...改めて礼をなされたり――これは一体どうしたことでござるのか」訊ねると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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