...そうして言外に寂しい情調が...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...勝手に臆測すれば言外になかなか重要なことも察しられるようだ...
上田広 「指導物語」
...旅川が言外に含めたのではないかと邪推(じゃすい)したのである...
梅崎春生 「風宴」
...言外に相手が已に感づいているであろう不倫を悔いた意味をもこめて...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...それらは総(すべ)て言外に想像されるところである...
高浜虚子 「俳句への道」
...言外に看取するを要す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...逢ふ由のない悲しみが言外に強く響いてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...殊に庭の襁褓(おしめ)が主人の人格を七分方下げるように思ったが、求むる所があって来たのだから、質樸な風をして、誰(たれ)も言うような世辞を交(ま)ぜて、此人の近作を読んで非常に敬服して教えを乞いに来たようにいうと、先生畳を凝(じっ)と視詰(みつ)めて、あれは咄嗟(とっさ)の作で、書懸(かきかけ)ると親類に不幸が有ったものだから、とかいうような申訳めいた事を言って、言外に、落着いて書いたら、という余意を含める...
二葉亭四迷 「平凡」
...言外にそういう確信をほのめかし...
本庄陸男 「石狩川」
...さうしたことは言外にそゞろ聯想せしめてこそ...
正岡容 「吉原百人斬」
...「何とも、申し上げようのないことで――」「火の用心、念には念を入れておりましたが――」なぞと、自分たちの失策でもない――と、いうこころを、言外に匂わせて、口々に言うので、広海屋は、苦わらいで止(とど)めて、「よいよい、店だけで、焼け止まる模様、幸い、横手は河岸だし、隣は間あいがある...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...此傳、議論敍事錯綜、變化縱横、亦太史公自ら其感憤の意を發するあり、甚だ解し易からず、意、言外に在り、讀者反覆玩味すべし...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...生きてはおれぬ」ふたりはもう言外に...
吉川英治 「大岡越前」
...すでに言外にあふれている...
吉川英治 「三国志」
...言外に感動をあらわしながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...言外に、人を観(み)ている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...だが、その感情の波をしずめて、もいちど、常の平常さをもって弟の慈円の文状を見直すと、なるほど、辞句のうえではそれだけのことしか書いてないが、言外に、一つの大きな意義を伝えているようでもある...
吉川英治 「親鸞」
...今の望みを諦(あきら)めてくれないか」万吉の言外にも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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