...一「……アレは、つまり、言ってみれば、コウいうわけあいがあるンで……」戦地から来た忰の手紙に、思いきって、いままで忰へ話さずにいたことを余儀なく書き送ろうと、こたつ櫓の上に板片を載せ、忰が使い残して行った便箋に鉛筆ではじめたが、儀作は最初の意気込みにも拘らず、いよいよ本筋へかかろうとするところで、はたと行詰ってしまった...
犬田卯 「荒蕪地」
...まあ言ってみれば...
梅崎春生 「Sの背中」
...平たく言ってみれば...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...また言ってみれば男が馬鹿なのさ...
高見順 「如何なる星の下に」
...衝動的な自殺行為とはちがって、言ってみれば、わが身を死刑台に送りこむために、着々と暗殺計画を立てていたのだ...
高見順 「いやな感じ」
...少し言葉を変えて言ってみれば...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...むしろ言ってみればその質によるものなので...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「言ってみれば、千代乃のスカートの中に、着物の裾の中に、わたしは頭を突っ込んで、そしてそんな時、最も安らかに息が出来るのでした...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...彼等の側から言ってみれば...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...残りの二部屋は言ってみれば渡り鳥向け――ここの学生のように...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...言ってみれば公表の認められていること...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...例えば、『ねえ君』、『まあ、そういった風な』、『ね、つまり』、『よろしいかね』、『そうでしょう』、『まあ、言ってみれば』、『大体は』などという類いの文句をやたらに撒きちらした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...……言ってみればその晩のことが...
正岡容 「寄席」
...「突然あがったりして、無礼な男だとお思いになりませんかとも思ったんですが、僕としては、溝口ゆき子さんがあなたにお話し下さるにしても、どうもそれを待ってばっかりいずに、直接お会いして気持を分って頂く方がいいと思ったもんですから――つまりマア、言ってみれば、僕は年からいっても分のわるい求婚者といった立場ですからな」十日ばかり前のある晩、瀧子がひとり暮している二間の小さい家の夾竹桃の咲いている縁先にこの辺では珍しい白服にパナマ帽、竹のステッキをついた山口が訪ねて来た...
「鏡の中の月」
...言ってみれば私も半盲になるような途方もないことはあり得ないわけで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...疲れ切っているところに、昂奮して長々と喋ったので、力が尽き果てたのである)双葉 もう、よして下さい、父さん! もう、やめて! やめてちょうだい!柴田 ……(しめ殺されそこなった鶏が、もう一度息を吹き返そうともがいているように、首を伸ばしたり、ちぢめたり、両手で食卓の上を掻きむしったりしながら、切れ切れに)……いや、私がな、この、闇買いをしないでやって行きたいと思っている事だって――そうだ、小さな事ではあるが、言ってみれば、実は、それに関係が有る...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...言ってみれば試験中のもので...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...言ってみれば、黒吉独りで感激し、興奮していたのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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