...節廻し一つにしても言うに言われぬ微妙な味がある...
上村松園 「画道と女性」
...温(あたた)かい肉の触感が言うに言われぬ思いをそそる...
田山花袋 「少女病」
...言うに言われぬ香水のかおり...
田山花袋 「蒲団」
...言うに言われぬ侘(わび)しさを感ずるが...
田山花袋 「蒲団」
...言うに言われぬ仕合せな気持がしますよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...言うに言われぬ甘美(かんび)なもの...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...君江に対しては言うに言われぬ憎悪の念を覚え...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...言うに言われぬ訳(わけ)あって...
中里介山 「大菩薩峠」
...言うに言われぬ心持で...
中里介山 「大菩薩峠」
...言うに言われぬ沈んだ調子を持っている...
夏目漱石 「草枕」
...言うに言われぬ甘美な哀愁の残滓を反芻していたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一種言うに言われぬ悩ましい心持を描いて行きます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...言うに言われぬ好(い)い陽気です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お嬢さん」「あ、平次親分、向うから来るのがよく見えましたよ」「お父様と、松次郎さんは?」「二人とも留守ですよ」娘の顔には、昨日の絶望的な色はありませんが、大きい屈託(くったく)が、その弱い身体を押しひしぐらしく、日蔭の花のような痛々しさと、言うに言われぬ、病的な美しさを感じさせるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なんという言うに言われぬ救いであろう! あの機械がほんの少しばかり下っただけであの鋭いきらきら光る斧(おの)を私の胸に突きこむのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...黙って一語を発せぬ胸の内には言うに言われぬ苦(くるし)みがあるらしい...
正岡子規 「句合の月」
...まつたくの言うに言われぬ未熟を広告していた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...腹の中は言うに言われぬ地獄のようなタネ仕掛とカラクリばっかり...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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