...「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお身体容貌を眺め下したり...
饗庭篁村 「良夜」
...天気がいいので女中たちははしゃぎきった冗談などを言い言いあらゆる部屋(へや)を明け放して...
有島武郎 「或る女」
...女ばかりの世帯だと思って出入りの御用聞きまで人をばかにするんですのよ」葉子はそう言い言い眉(まゆ)をひそめた...
有島武郎 「或る女」
...」言い言い、縋(すが)るように言う...
泉鏡花 「婦系図」
...と言い言い、例のつり針を、うしろ向きになってお返しになりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...くんくん言い言い尾をふりました...
鈴木三重吉 「やどなし犬」
...」にやにやうす笑いしてそんなことを言い言いぱちんぱちんと爪を切っていたが...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...御覧になりはしませんでしたか」そう言い言い老婆は相手の顔色を伺った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...死んでからも死人の籍を運送することを言いつかっている」と言い言い歩いて往って...
田中貢太郎 「賭博の負債」
...――皆なしばしばスマちゃんくらいお洒落はないと言い言いしたくらいです...
近松秋江 「雪の日」
...いつでも私が入用な時にと言い言いした彼女の意味と思い合わせて...
徳田秋声 「仮装人物」
...『このできそこないはわしやおまえを好いていねだよ』とグリゴリイは妻のマルファ・イグナーチエヴナに言い言いした...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...けれどもこんなことを言い言い...
中里介山 「大菩薩峠」
...あのお喋りがよく言い言いしたものだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...花が散ってからはすっかり御用も暇で、無駄を言い言い、植木の世話でもするより外に所在もない二人だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...』などと言い言いした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...誰れかれにともなく私はそんな事を言い言いしていたのだった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...成る程」とか「結構ですな」とか何とか言い言い腮を撫でている態度である...
夢野久作 「道成寺不見記」
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