...あとはお前でどうなとしなよ』と言い置いて私に十銭玉一つと...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...やっぱり外出は厳禁だよ」検事はそう言い置いて...
海野十三 「地獄の使者」
...ポカンとしているみんなに何か言い置いて...
大杉栄 「日本脱出記」
...そう言い置いて次郎兵衛は居酒屋へ引返して亭主を大声で叱りつけながら番傘を一ぽん借りたのである...
太宰治 「ロマネスク」
...妻にはある青年の就職の世話をしにペテルブルグへ行って来ると言い置いて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...なんとも言い置いてくださらなかったんですもの...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お君は誰にか一言(ひとこと)言い置いて出ようと言ったのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...それまで死なさねえようにして置きな」と言い置いて米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...それで馬でも買えと言い置いて川口の船屋敷へ戻ると...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...その時ふいに、クリスマスに来たいと言ってきた阿比留信にこんなところに泊まらせてやったら愉快がるだろうと気まぐれに思い立って、そのままずかずかと裏木戸から這入(はい)って、台所を覗いて見ると、ストオヴの側で白いエプロンをかけた日本人の若い娘が卓の上に水仙の花を惜しげもなく一ぱい散らかして、いくつかの花瓶(かびん)にそれを活けていたが、私の意を伝えると、きのう主人夫婦も横浜から来たばかりで、何でも、もうクリスマスには大ぜいな客があるように申しておりましたけれども、……まあ、中へおはいりになってお待ち下さい、と人懐こそうに私の方をまじまじと見ながら、そう言い置いて、奥へ引っ込んでいった...
堀辰雄 「雉子日記」
...秘密をだれにも知らせないように」と言い置いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あちらでもいつまでも子供のようにお扱いになるのですよ」などと言い置いてきれいに装束した源氏の出かけるのを病床の夫人は平生よりも熱心にながめていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私の物足りなさを斎宮は補ってくださるでしょう」などと言い置いて源氏は帰った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今日になって中止のできることでもなかったから儀式その他についての注意を言い置いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私はどんなにでもしてあなたのためによくしてあげますから」こう言い置いて常陸の妻は娘のところから帰ろうとした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...七日七日に経巻と仏像の供養をすることなども言い置いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...株式の売買をしているものだと言い置いて帰ったそうだ...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...」とにかく頼むと言い置いて...
森鴎外 「鶏」
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