...少なくもこの点だけにおいては未開人種や子供の描く観念的な絵は泰西名匠の絵画よりもある意味で科学的であると言わねばならない...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...階級は階級対立の観念的な否定によっては止揚されない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...このような二つの規定――それはまだ抽象的・観念的な規定であった――に相当する現実的・実践的な規定は何であるか...
戸坂潤 「科学方法論」
...従って歴史科学的方法のただ観念的な――現実的に対象に食い込まない――規定のみを与えることに満足するかのように見えるこの欠点を指摘しようとすることが...
戸坂潤 「科学方法論」
...科学の学問性は科学のもつ最も観念的な普遍的な性格であるであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...法律とはこういう政治制度のための観念的な拠り処に他ならない...
戸坂潤 「科学論」
...政府はそんな観念的な徒花には目もくれずに...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...併しその観念的な影響力の方面から云うと決して単にその程度につきるものとは考えられなかった...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...左翼的社会勢力の代りに持ち出された観念的な代用物だった...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...この作家達とP・C・F〔フランス共産党〕との(少なくとも観念的な)連絡にあるのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...それ程どっちも頭の内の観念的な心配でしかないらしいこの心配には一向実証的な現実味がないことが之で判る...
戸坂潤 「社会時評」
...偶々これを人心の不安動揺などという上品な観念的な言葉で呼ぶものだから...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...単に観念的な結びつきで結構なのだが...
戸坂潤 「読書法」
...現在日常的に手回り近くに用意されてある処の観念的な生産用具に他ならないのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...氏は之を抽象作用という観念的な手段を用いて観念の内部で統一して了った...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...同時に農民の描写が観念的なのに対して「憤怒」の女小作人...
宮本百合子 「インターナショナルとともに」
...科学的らしく見えるが実際は観念的な宿命論のような結論を引き出していることも少くない...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...彼の持っているイデオロギイからきた観念的な疑惑であり...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
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