...この本は希覯書(きこうしよ)でも何(なん)でもあるまい...
芥川龍之介 「本の事」
...故和田雲邨(わだうんそん)翁が新収稀覯書(きこうしょ)の展覧を兼ねて少数知人を招宴した時の食卓での対談であった...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...此のシーボルトの『動植物譜』は先年倫敦の某稀覯書肆から買入れたのが丸善の誇りの一つであったが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...稀覯書というでは無いが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...稀覯書たるの要件は...
辰野隆 「愛書癖」
...「おしめ本」と相俟(ま)って稀覯書中の重鎮である...
辰野隆 「愛書癖」
...然るに不図(ふと)気が付くと何時(いつ)の間にか、一冊の稀覯書が、心覚えをして置いた書架から無くなっている...
辰野隆 「愛書癖」
...珍本、稀覯書、豪華版に対しては頗る冷淡であると言ふよりも寧ろ昔日の熱がさめてしまつたのである...
辰野隆 「書狼書豚」
...之は非常に稀覯書で...
辰野隆 「書狼書豚」
...わたくしの眼には稀覯(きこう)の古書よりも寧(むし)ろ尊くまた懐しく見える...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...尨大な稀覯本の蒐集その中には稀に解し得ない本もあって...
西尾正 「墓場」
...天下稀覯(きこう)の大名物です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...稀覯とも称すべきこのような美しい風景だった...
久生十蘭 「魔都」
...芥川さんは「この本こそ手に入れば稀覯書である」と云つてその Quarto 版の「かげ草」を欲しがつてゐられる...
堀辰雄 「本のこと」
...また今日の試みに当っては美濃口時次郎教授及び東京商大図書館の御配慮によって希覯図書を接見するの便宜を与えられた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...補腎健春の妙薬としてしきりに黄白を希覯の曖昧(あいまい)品に投じたのである...
南方熊楠 「十二支考」
...絵画などを総覧的に編集した奇特な“図書解題”で私も未見な稀覯本(きこうぼん)であった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...しかしこういう稀覯本(きこうぼん)になると...
吉川英治 「随筆 新平家」
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