...これも希覯書(きこうしよ)とは称されない...
芥川龍之介 「本の事」
...遂に稀覯書(きこうしよ)の中(うち)に這入(はひ)つて了(しま)つた...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...故和田雲邨(わだうんそん)翁が新収稀覯書(きこうしょ)の展覧を兼ねて少数知人を招宴した時の食卓での対談であった...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...焼けた材木や煉瓦をステッキで堀返しては失われた稀覯書の行衛を尋ねていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...此のシーボルトの『動植物譜』は先年倫敦の某稀覯書肆から買入れたのが丸善の誇りの一つであったが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...稀覯書というでは無いが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...ヒールセマン等英仏独蘭の稀覯書肆から出版した各種の稀覯書目録(欧羅巴の稀覯書肆の特別刊行の書目は細密なる分類を施こし且往々解題を加え或はファクシミルを挿入する故書史学者の参考として最も珍重すべきものである...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...そしてこの小説は自分が秘蔵してゐる長崎耶蘇教会出版の『れげんだ・おれあ』といふ西教徒(せいけうと)が勇猛精進の事蹟を書きとめた稀覯書(きこうしよ)から材料を取つたものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...相対的稀覯書というのは...
辰野隆 「愛書癖」
...然るに不図(ふと)気が付くと何時(いつ)の間にか、一冊の稀覯書が、心覚えをして置いた書架から無くなっている...
辰野隆 「愛書癖」
...こんな豪華版の稀覯書を僕が頂戴して果してよいものだらうかと...
辰野隆 「書狼書豚」
...仏蘭西の稀覯書二百五十余種を翻刻して...
辰野隆 「書狼書豚」
...稀覯とも称すべきこのような美しい風景だった...
久生十蘭 「魔都」
...芥川さんは「この本こそ手に入れば稀覯書である」と云つてその Quarto 版の「かげ草」を欲しがつてゐられる...
堀辰雄 「本のこと」
...補腎健春の妙薬としてしきりに黄白を希覯の曖昧(あいまい)品に投じたのである...
南方熊楠 「十二支考」
...立どころに希覯(きこう)の書万巻を致さむことも...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...希覯(きこう)の書数千巻を蔵するに至候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかしこういう稀覯本(きこうぼん)になると...
吉川英治 「随筆 新平家」
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