...親譲りの財産を失つた大阪の或青年だつた...
芥川龍之介 「或社会主義者」
...親譲りの資産も相当にある...
芥川龍之介 「奇遇」
...細君の方の親譲りで...
岩野泡鳴 「戦話」
...博士夫人には親譲りの一寸した財産があったということ...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...仕方なく大金をおかけになった親譲りの南洋のゴム園の一つを弟様にさし上げて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...親譲りの財産とか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...氏は今日まで親譲りの財産があったから気儘(きまま)に暮して来られたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その点で親譲りの型を変えよう等という神経の持合せのない男としか見えない...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...母親譲りの長い眼をしばたたいていました...
豊島与志雄 「碑文」
...かけがえのねえたった一つの親譲りの面なんでげすからなあ」「ふん――ちゃちな面だなあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...親譲りの家を構えて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...これも親譲りの無鉄砲が祟(たた)ったのである...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...腰の物だけは親譲りの立派な相州物...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...親譲りのこの店が狙いだったのさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「シミズ・セイイチ」(二十五歳)は親譲りの青森浪人で仙台の裏長屋に父親が窮死して後方々に仕官の伝手(つて)を求めたが...
服部之総 「志士と経済」
...どうもお酒が過ぎると……親譲りの血統で――」などと母は...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...親譲りの癖でなあ...
夢野久作 「斜坑」
...親譲りの紺糸縅(こんいとおど)しの一番を着込むのと...
吉川英治 「黒田如水」
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