...斯(か)くの如き親密な合意と云ふのも例外的の事である事が十分に証拠だてられる...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...馬琴が蒲生君平(がもうくんぺい)や渡辺崋山(かざん)と交際したのはそれほど深い親密な関係ではなかったろうが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...ばかに親密な質疑の形式がいつの世からか発見されたもので...
谷譲次 「踊る地平線」
...近眼鏡の下から切れの長い練吉の眼が一種こつそりした親密な表情をのぞかせてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...最近になつての親密な往来と云ふのも...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...顧ふに侯が近来政党に接近したるは明白なる事実なり特に憲政党と頗る親密なる交通を為しつゝあるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...親密なる多数の政友に乏しく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自分は兄と一番親密なHさんにそれを頼むが好かろうと発議(ほつぎ)して二人の賛成を得た...
夏目漱石 「行人」
...離別後も常にシェリングと親密な音信をしていたそうであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...薄っ片(ぺら)な垣一重を隔てて御隣り同志の親密なる交際は結んでおらぬ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...外的客觀的實在世界の一部と特に親密なる關係に立ち...
波多野精一 「時と永遠」
...(七)妻との親密な交渉を断たうといふ私の決意...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...この大事件で舌がほぐれて、親密な調子で、自分の細君のことまで話すのだからね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...親父はそこらが交際のごく親密なところでよいではないかというから...
三宅花圃 「藪の鶯」
...この模糊として光明のない境地へ歩み込んでしまうと友達は勿論彼にとって親密な姉の宏子さえも...
「海流」
...私もまた寂しいあなた様のお心を慰める友になりえて親密なおつきあいができましたらどんなにうれしいかと思われます」などと薫の多く言うのに対して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「賢者の間にはきわめて親密なつながりがあるから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...極めて親密な態度で...
山本周五郎 「山彦乙女」
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