...ロークはつい船乗りの習慣的な親切気をだして...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...何もグスに葛根湯を勧めるのは親切気なぞあってのことではない...
橘外男 「葛根湯」
...経験を積むにつれて彼にもだんだん分かって来たことだが、こうした町の連中というものはカルタの相手にしたり、飲み食いの相手にしたりしているうちは温厚で、親切気があって、なかなかどうして馬鹿どころではないけれど、いったん彼らを相手に何か歯に合わぬ話、たとえば政治か学問の話をはじめたら最後、先方はたちまちぐいと詰まってしまうか、さもなければこっちが尻尾(しっぽ)を巻いて逃げ出すほかはないような、頭の悪いひねくれた哲学を振りまわしはじめるのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...あなた親切気のない方ね...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...私のことを思う親切気を眼色に浮べてのことだ...
豊島与志雄 「常識」
...生じい親切気を残したのが却って彼の為に毒となったようだ...
中里介山 「生前身後の事」
...喜多八の足らざるを補うという神妙なる親切気が...
中里介山 「大菩薩峠」
...全く親切気のあった人...
中里介山 「大菩薩峠」
...もちまへの親切気から...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...この無責任で親切気のない政府の不思議な居据り状態とを見較べて...
宮本百合子 「現実の必要」
...一体お前方は親切気がない...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...かれが本来持っているあの親切気...
吉川英治 「大岡越前」
...親切気でお止めしているんですぜ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...得もねえ親切気など出すものかよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一つ思案の口を利(き)こうと思うてやってきたのに――その親切気をも無にしやがって...
吉川英治 「親鸞」
...俺にもこれ以上の親切気は持ちきれねえ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...かたじけない」と、彼の親切気には、深く謝したが、なお、愚堂の脚下にひざまずいた身はいつまで、起そうともせず、じっと地に坐っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...万兵衛の親切気にも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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