...「お山行」と共に長い親しみ深い威容であつた...
安倍能成 「初旅の残像」
...恰度「大きな」一日の思出が、太陽の照らさぬ氷河から吹く夜風が舌に与える清冽な「石に似た」味に、前方にある、あるいは私が手にぶら下げたランタンの、焦げた金具と蝋燭脂の、親しみ深い、頭痛を起させるような香とが混じり合ったものであるように...
石川欣一 「山を思う」
...いつもお作を拝見しては親類中の御親しみ深い御様子を心から羨しく思っていたものですから...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...私にはこの時ほど懐かしく親しみ深いものに感じられたことはなかったのであった...
橘外男 「逗子物語」
...此の河原町を一種親しみ深い快い様子に見せてゐる...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...近づく徳次に向つて親しみ深い微笑を浮かべてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...親しみ深い手つきで飯を盛つた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...やや常軌を逸したきわめて親しみ深い活発なお人よしだったからである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...親しみ深い曲が特色である...
野村胡堂 「楽聖物語」
...何人かの親しみ深い政治家の一人といえるだろう...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...それは親しみ深い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...光源氏なぞより僕には親しみ深いやうな氣がされます...
堀辰雄 「更級日記など」
...いつお帰んなすつたよう?」年寄は年寄らしい親しみ深い眼を挙げて私を見上げました...
牧野信一 「砂浜」
...何かの時には六条院へ訪(たず)ねて来て紫夫人にも逢(あ)って話し合うほかにも親しみ深い往来(ゆきき)が始終あった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...親しみ深いものであるのに気づいた...
山川方夫 「博士の目」
...あの親しみ深い老人のそれにかえっていた...
山川方夫 「博士の目」
...親しみ深い海の大きな圈線を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ひどく親しみ深い魅力を感じさせられるのは...
吉川英治 「折々の記」
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