...所詮(しよせん)はこの流沙河に命を殞(おと)すべいと覚悟したが...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...おとよさんが親に棄(す)てられてもと覚悟したのは決して浮気な沙汰(さた)ではない...
伊藤左千夫 「春の潮」
...世界を包む永遠の夜だと覚悟した...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...僕はこれを胸に押さえて平気を装い、「それがつらいのか?」「どうしても、疑わしいッて聴かないんだもの、癪にさわったから、みんな言っちまった――『あなたのお世話にゃならない』て」「それでいいじゃアないか?」「じゃア、向うがこれからのお世話は断わると言うんだが、いいの?」「いいとも」「跡の始末はあなたがつけてくれて?」「知れたこッた」と、僕は覚悟した...
岩野泡鳴 「耽溺」
...最初から行けるところまで行ってみようと覚悟した我輩は...
大隈重信 「青年の天下」
...絞首台を覚悟した人物なんだからってね...
高見順 「いやな感じ」
...なんにも書くまいと覚悟したのだが...
太宰治 「碧眼托鉢」
...絶望におち入り既に密告されることを覚悟したベドウスは...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...その時には(この具合だと、よく保って二三年か)と、覚悟した...
直木三十五 「死までを語る」
...一匹一人の男が死のうと覚悟したものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼らの談話を小耳に挟(はさ)もうと覚悟した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そうしてその影響次第で後(あと)の段取をきめようと覚悟した...
夏目漱石 「明暗」
...平次の敗北と覚悟した様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親のもとを離れる第一歩を覚悟した...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...美(い)しくも今松はこう覚悟した...
正岡容 「寄席」
...「ジウタイノママジゾクセリ」私は直ぐに持久戦を覚悟した...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...彼もまた、そう覚悟した...
吉川英治 「三国志」
...頭部だけで敵地に入った魏延はもとより討死を覚悟した...
吉川英治 「三国志」
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