...往来から苅葺(かりぶき)のかぶった屋根の低い家が裏まで見透かされるような家であった...
伊藤左千夫 「守の家」
...來(くる)早々小使錢もないのを渠等に見透かされるのが厭であつたからである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...直ぐ奧の臺所からは裏の共同庭も見透かされる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こんなところで本氣に不愉快がつてゐる心の中を見透かされるのも厭さに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どこです」許宣は腹の裏を見透かされるように思って長い間探していたとは言えなかった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...そんな嘘(うそ)を言って隠し立てをしているこちらの腹の中を見透かされると...
近松秋江 「うつり香」
...どうやら間近になッた冬のすさまじさが見透かされるように思われて...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...こちらの腹を見透かされるのが劫腹(ごうはら)で...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...低い軒の狭い家はすぐ往来から蚊帳(かや)の灯がじかに見透かされる...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...ミショノー嬢は自分の渇望を見透かされるのを恐れて...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...はるばる遠くまで見透かされる...
久生十蘭 「魔都」
...見透かせば見透かされる……サッと軒端(のきば)近くに羽音がする...
二葉亭四迷 「浮雲」
...尚お何物だか冷淡の中(うち)に在ッて朦朧(もうろう)として見透かされる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...知識の奥底を見透かされるのはいっこうにゴ名誉ではござんすまい...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その広い平がかすかに見透かされる...
水野葉舟 「土淵村にての日記」
...外が見透かされるかぎり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この漢語の眼かくしが楽に見透かされるようになったために出て来た不平だとも云える...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...見透かされるような気がして...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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