...彳(たたず)んで見送る井菊屋の人たちばかり...
泉鏡花 「怨霊借用」
...不機嫌な顏をした女や男が通つて彼の挨拶に氣がつかないと彼は不審相に悲しい顏付をして見送るがすぐ忘れてしまつて嬉々として歩んでゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...・百舌鳥がするどくふりさうでふらない空・馬も肥えたと朝飯いそがしく出てゆく・秋のひかりや蠅がつるんだりして・鮮人長屋も秋暑い子供がおほぜい乞ひあるく旅のいやになつたバスのほこり・売られて鳴いて牛はのそ/\あるく牛を見送ると水涸れた橋まで・夕立すずしくこちらで鳴けばあちらで鳴くも牛・ほんによかつた夕立の水音がこゝそこ・すゞしくぬれて街から街へ山の夕立・いたゞきは夕立晴れの草にすわる・長い峠の...
種田山頭火 「行乞記」
...浜松飛行隊へ入営出発の周二君を駅に見送る...
種田山頭火 「其中日記」
...六時の汽車へ見送る...
種田山頭火 「鉄鉢と魚籃と」
...誰も見送る人もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...過ぎ行く駄馬の一行を後から見送ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...八さんが気の毒じゃありませんか」心配そうにその後ろ姿を見送るお静...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そっと詩子(ふみこ)さんを見送るつもりだったかも知れない)って仰(おっ)しゃるんです...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...セエラを見送るばかりでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...共に引き行く人浪の趾を見送る事...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...空腹の私達は茫然と見送るのであった...
原民喜 「廃墟から」
...何時までも見送るに...
樋口一葉 「たけくらべ」
...おびえた顔で見送る)段六 (土手を駆け降りて来て)仙太...
三好十郎 「斬られの仙太」
...おびえた顔で見送る...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...その人々を見送るように庭の石燈籠の影から下げ髪に三尺帯の布引けい...
森本薫 「女の一生」
...新しいハンカチで額の汗を拭き拭き八時三十分発急行列車富士号の方へヨチヨチと歩いて行くのを見送ると...
夢野久作 「人間レコード」
...ワリニャーニが堺まで見送るオルガンチノと共に安土を出発したあと...
和辻哲郎 「鎖国」
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