...列車の中からはある限りの顔が二人を見迎え見送るので...
有島武郎 「或る女」
...多くはただ不思議さうに見迎へ見送るばかりであつた...
石川啄木 「道」
...侍女等慇懃(いんぎん)に見送る...
泉鏡花 「海神別荘」
...足は二本ともきれいさっぱりとないが海軍さんを見送るため...
海野十三 「火薬船」
...不機嫌な顏をした女や男が通つて彼の挨拶に氣がつかないと彼は不審相に悲しい顏付をして見送るがすぐ忘れてしまつて嬉々として歩んでゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...シュトルツ夫人が子供たちを連れて蘆屋駅まで見送ると云うので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...出征将士を見送る声である...
種田山頭火 「其中日記」
...長吉はその後姿(うしろすがた)を見送るとまた更に恨めしいあの車を見送った時の一刹那(いっせつな)を思起すので...
永井荷風 「すみだ川」
...見送る人の何だかは分らないにしても...
中里介山 「大菩薩峠」
...あまり洒落(しゃらく)だから、余は少しく先(せん)を越された気味で、段上に立って、坊主を見送ると、坊主は、かの鉢の開いた頭を、振り立て振り立て、ついに姿を杉の木の間に隠した...
夏目漱石 「草枕」
...老爺の藁屋の前に見送る二つの影がありました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空腹の私達は茫然と見送るのであつた...
原民喜 「廃墟から」
...往來であふ度に三田は立どまつて見送るのだつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...縞の小さいエプロンをかけた彼女が食器を積んだ大盆を抱えて不本意らしく台所に出てゆく姿を見送ると...
宮本百合子 「或る日」
...――毒気を抜かれてポカンと見送る旅商人...
三好十郎 「おスミの持参金」
...物陰から現れた右門と伝六舟を見送る...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...出て行くとき彼女は長い廊下を見送る看護婦たちにとりまかれながら...
横光利一 「花園の思想」
...ワリニャーニが堺まで見送るオルガンチノと共に安土を出発したあと...
和辻哲郎 「鎖国」
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