...こなたへ見返すさえ術(じゅつ)なそうであった...
泉鏡花 「婦系図」
...また女のこちらを見返す目附きをどうも並みではないとも思つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...丈五郎は空(うつろ)な目で私達を見返すばかり...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...軽く咎むるような心地の眼付でその顔を見返すと青年はこう云った...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...」見返すと、姿は消えてしまった...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...その方を見返すと...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...主に見返す奴は無いってね」富士春は...
直木三十五 「南国太平記」
...「あっ!」と左を見返す時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...私がおいよさんを見る度においよさんも私を見返すのであつた...
長塚節 「隣室の客」
...そして「深淵はまた人を見返す」といふニイチェの言葉どほりになつてしまふのだ...
中原中也 「生と歌」
...静かに皆の方を見返すのでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...ジッとその眼を見返すと...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...旧友どもを見返すことができると勇んでおった折も折...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...笑って世の中を見返すだけの度胸はちゃんと持ち合せているんだぜ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...李一は泪(なみだ)ぐんで見返すのであった...
室生犀星 「不思議な魚」
...見返すと立派なものですから...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...けれどもなるべくなれば御手書はお眼にかけぬようとのおぼしめしでした」「それはまたなぜだ」老人の問いに対して秀之進はじっと見返すだけだった...
山本周五郎 「新潮記」
...見返すことのできる者は一人もいなかった...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
便利!手書き漢字入力検索