...居村の馬喰小暮与八が特に見立てて送ったという白馬が繋いであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それを三十六峰に見立てて...
薄田泣菫 「石を愛するもの」
...縁づいてからお袋が見立てて拵えてくれた細い矢羽根の置型(おきがた)の浴衣(ゆかた)に着かえた...
徳田秋声 「足迹」
...ぐるりにベンチの置いてある大きな樹があるでしょう? あの樹のうしろを樂屋に見立てて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...」枕屏風を塚に見立てて...
豊島与志雄 「高尾ざんげ」
...柄は河野が見立ててくれた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...役者に見立ててこの狂言大当りなどと...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...維新当時は国事多端にして政府はなほ市井の風俗を顧(かえりみ)る遑(いとま)なかりしかば画工は憚(はばか)る処なく女湯の内部または『田舎源氏』の遊戯に見立てて御殿女中の裸体雪合戦を描く事を得たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...悪友どもにこの神尾を見立てて京都へ行けというほどの実力ある奴がいるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...芭蕉(ばしょう)と云う男は枕元(まくらもと)へ馬が尿(いばり)するのをさえ雅(が)な事と見立てて発句(ほっく)にした...
夏目漱石 「草枕」
...自分の境遇の苦しさ悲しさを一部の小説と見立てて...
夏目漱石 「坑夫」
...養子に見立てておいたのですが――といってよこしたことを思出す...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...てけれっつのぱあ ふとんをこうして子供に見立てて...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...私達が自分の人生を真直ぐ見立てて参ります時に...
宮本百合子 「幸福の建設」
...芭蕉は龍を鯰に見立てて諧謔化したわけである...
武者金吉 「地震なまず」
...むくむくと太ったのを見立てて買った...
森鴎外 「鶏」
...臼を女と見立てての至って粗野なる異名であった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...これを早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)の三通りに見立てて置く...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
便利!手書き漢字入力検索