...貴下が見立てて下すったのを...
泉鏡花 「婦系図」
...着物はほとんど全部私が見立てて買つたものばかりだ...
伊丹万作 「わが妻の記」
...お庄も叔父が見立ててくれた新しい浴衣(ゆかた)などを着せられて...
徳田秋声 「足迹」
...私が気に入りそうなのを見立てて上げるよって……東京ものは蓮葉(はすは)で世帯持ちが下手(へた)やと言うやないか...
徳田秋声 「黴」
...ぐるりにベンチの置いてある大きな樹があるでしょう? あの樹のうしろを樂屋に見立てて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...追ってよき人を見立てて沙汰を致そう」「仰せながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪友どもにこの神尾を見立てて京都へ行けというほどの実力ある奴がいるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピンポンの球をα粒子に見立てて...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...其細君を誘(そその)かして半襟を二掛見立てて買って来て貰った...
二葉亭四迷 「平凡」
...それを毛がゾクゾクと生えている貌に見立ててそこで毛茸の字が生れたわけだ...
牧野富太郎 「植物記」
...それと同じように女が良人を択ぶのも老功な人に適当な候補者を見立ててもらって...
村井弦斎 「食道楽」
...その時僕を大関に見立てて下宿屋へ呼びによこしたが不在(るす)で残念だといっていた処で是非僕にも仲間入をしろ...
村井弦斎 「食道楽」
...お召しになるかたのお顔によく似合いそうなのを見立てておあげなさいまし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...むくむくと太ったのを見立てて買った...
森鴎外 「鶏」
...人は必ず功程の容易で便益の多い場所を見立ててそこだけに住もうとしたのだが...
柳田國男 「地名の研究」
...臼を女と見立てての至って粗野なる異名であった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...この世の様(さま)に見立てて思案しているうちに今日ふと...
吉川英治 「三国志」
...良人(うちのひと)にわたしが見立てて着せようというのに...
吉川英治 「春の雁」
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