...夜目にもうす白い御池の水が枝ぶりのやさしい松の向うにひろ/″\と見渡せる...
芥川龍之介 「地獄變」
...汀(みぎわ)まで雪に埋まった海岸には、見渡せる限り、白波がざぶんざぶん砕けて、風が――空気そのものをかっさらってしまいそうな激しい寒い風が雪に閉ざされた山を吹き、漁夫を吹き、海を吹きまくって、まっしぐらに水と空との閉じ目をめがけて突きぬけて行く...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...なるほど廃村谷中の跡はここから一と目に見渡せるのであった...
伊藤野枝 「転機」
...手にとるように見渡せるのである...
海野十三 「少年探偵長」
...その金鍍金した鐡棒の間からは別の庭が見渡せるのであつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...眼の届く限り煌々と見渡せるし...
豊島与志雄 「道連」
...全体を見渡せるだけの地点に立っていないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...晴れてるとスウィスの西部全体が遠くフランス国境まで見渡せるそうだ...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...遠くローンの渓谷までも見渡せるというので...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...それに庭を見渡せる書斎からなっていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...この辺はなにしろ一目で見渡せる広っ場なんだから...
久生十蘭 「金狼」
...一と眼で道路を見渡せる窓際の席に掛けている婦人は...
久生十蘭 「魔都」
...しかし私は松林を脱けて白い砂原が一望の下に見渡せる砂丘の上に来た時に...
牧野信一 「サロメと体操」
...大川のはるか彼方の白い空がいつもほのぼのと見渡せる...
牧野信一 「春」
...ひろびろと見渡せるようになった...
水上滝太郎 「遺産」
...一眼(ひとめ)で見渡せるこの家の中の...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...……』『今は――』私は一眼(ひとめ)で見渡せる家の中を...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...この未曽有の大工事の見渡せる橋の上で...
和辻哲郎 「鎖国」
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