...見失う心配はない...
江戸川乱歩 「影男」
...地下室の階段を大勢の男女に押されながらK夫人を見失うまいと注意しつつ外へ出ようとしました時...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...局部にとらわれて全体の権衡を見失う事もいよいよ多かった...
寺田寅彦 「自画像」
...確かにその認識の客観性を全く見失うことだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...同一物の内部に於ける対立――それが二重性なのである――を見失うことは許されない...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...ようやく見つけ出す、すぐ消えている、また探し出す、また見失う、そんなことを百度以上もくりかえしつつ、パトラッシュははしりつづけました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...たとい混雑に取り紛(まぎ)れて注意人物を見失うまでも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...今度こそは彼女の姿を見失うまいとコスモは決心して...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...現実のひどさを見ていてそれにひるまないで暖さも賢さも正しさも見失うまいとしている態度...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おお何たる美しさであろう! それは無頓着・偶然・の風を帯びれば帯びるほどますます美しい! わたしの主題を見失うのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かえって禅を見失う危険が起ろう...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...かえって仏を見失う事を心配された親切心から...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...自身の行動を見失うときに際して...
横光利一 「我等と日本」
...「あれ見失うな」と...
吉川英治 「三国志」
...ここでお姿を見失うてから...
吉川英治 「私本太平記」
...ついお姿を見失うたので」「それが不覚だ...
吉川英治 「私本太平記」
...こうして武蔵の姿を絶えず見失うまいとしながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そのため岸伝いの航海者は陸を見失う危険に苦しめられたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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