...それが為めに私自身を見失うまでにその為めに没頭することが出来ない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...滅多にあいつを見失う気遣いはありません」「で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...却つて史料の真実を見失う虞れもある...
津田左右吉 「歴史とは何か」
...かくてその性格を見失うことによって...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...それを「部分的」な総体に分析することを見失う...
戸坂潤 「読書法」
...ようやく見つけ出す、すぐ消えている、また探し出す、また見失う、そんなことを百度以上もくりかえしつつ、パトラッシュははしりつづけました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...その時目じるしにして置いた郵便箱を見失うと...
永井荷風 「ひかげの花」
...米友が道庵を見失うことはあろうとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...青いリボンを見失うほど込み合っていた...
夏目漱石 「野分」
...その薄闇(うすやみ)の中に見失うまいとするようにして進んだ...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...われわれはその一つ一つの懐しい波頭を見失うまいと努力する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...切れた時でも前の人の後影を後の人が見失うようなことはない...
森鴎外 「百物語」
...かえって仏を見失う事を心配された親切心から...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...かれらは方向を見失うであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...一寸と油斷すれば先行者の姿は草か倒木の下に隱れて見失うのである...
吉江喬松 「山岳美觀」
...大覚ノ宮を見失うこともなかったはずだ...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし、逃げ足の早い敵を、遠く見失うと、彼もまた、一時の激発から醒(さ)めて立ちどまった...
吉川英治 「親鸞」
...追いつけずに見失う事よりも...
吉川英治 「源頼朝」
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