...ややともするとまわりに気が取られて見送るべき人を見失う...
有島武郎 「或る女」
...芳郎はその姿を見失うまいと思って走るようにあがって往った...
田中貢太郎 「赤い花」
...その薄闇(うすやみ)の中に見失うまいとするようにして進んだ...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...私はそういう誠実な父の人間性を見失うまいと心がけ...
火野葦平 「花と龍」
...そのためにどうしてもものごとを全体として見失うんだね...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...彼はじっと首を立てて方角を見失うまいとする...
本庄陸男 「とも喰い」
...現実のひどさを見ていてそれにひるまないで暖さも賢さも正しさも見失うまいとしている態度...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おお何たる美しさであろう! それは無頓着・偶然・の風を帯びれば帯びるほどますます美しい! わたしの主題を見失うのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かえって仏を見失う事を心配された親切心から...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...民藝を見失う者である事を...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...工藝そのものを見失うところから来るのである...
柳宗悦 「工藝の道」
...かれらは方向を見失うであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...吾々はたちどころに高麗の美を見失うのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...友を見失うような懸念はないのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...見失うではないか」「旦那あ」と...
吉川英治 「大岡越前」
...当の殿を見失うたので...
吉川英治 「私本太平記」
...「それッ、見失うな」と、お十夜は真ッ先に、周馬と一角もその後から追いつづいたが、ふとみると、いつのまに横道から出てきたのか、二つの駕(かご)に、四ツ五ツの提灯(ちょうちん)を振って、先の者と後の間を、邪魔するように散らばってゆく人数がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...こうして武蔵の姿を絶えず見失うまいとしながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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