...見る間に月も薄い姿を隱して空は全く闇となつた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...見る間に色は褪(あ)せて...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...見る間にウェンデルの横鬢から小鼻へかけては醜く青痣(あおあざ)を拵えて腫(は)れ上った...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...見る間に入道はするすると寄って来て...
田中貢太郎 「魔王物語」
...見る間に床へ上って来そうなので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...摩天(まてん)の白銅塔(はくどうとう)を見る間に築き上げては奈翁(なぽれおん)の雄図よりも早く微塵(みじん)に打崩したり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...柿の幹も見る間に余りなく濡れていつた...
中原中也 「良子」
...見る間に酔も醒めはてて行くとがたがたと顫え出した...
火野葦平 「糞尿譚」
...見る間に涙がほろほろと頬を滾(まろ)び落ちて来ました...
牧野信一 「お父さんのお寝坊」
...見る間に“Sea horse”のやうに偉さうになつて来さうだつた...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...見る間にあとからあとから大粒の涙はポトポトポトポト溢れてきた...
正岡容 「小説 圓朝」
...空は見る間に灰色の雲が閉(とざ)してしまった...
水野葉舟 「土淵村にての日記」
...見る間に数十町歩を烏有(うゆう)に帰したので...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...懐中(ふところ)に手を入れしと見る間に...
夢野久作 「白くれない」
...魂が見る間にトロトロと溶けた二人は...
夢野久作 「名娼満月」
...身をひるがえせば梢斬り! 見る間に血は河となり修羅にのた打つ手負いの数...
吉川英治 「剣難女難」
...見る間にズルズルと魔刀(まとう)の下へ引き寄せられる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...見る間に悪魔のかげが踊る...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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