...幼きふたりの伝令使は見る間に飛び込んできた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...見る間に町の壁に沿ふて海の中へ流れ込んだのである...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...見る間に外皮は剥け落ち清浄に洗われて直ちに料理の出来るようになる...
寺田寅彦 「話の種」
...ヒマラヤを五(いつつ)も積み重ねた雲の峰が見る間に崩(くず)れ落ちたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...見る間に塗りつぶされて行くめざましさを...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが見る間に殖える...
夏目漱石 「幻影の盾」
...まだ障子のままで人影が射(さ)している……スルトその人影が見る間にムクムクと膨れ出して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...相手の姿は見る間に麦畑の中に消へてしまつた...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...見る間に怖ろしい伝波の翼に乗つて...
牧野信一 「歌へる日まで」
...見る間に“Sea horse”のやうに偉さうになつて来さうだつた...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...見る間にガラリと違うて来ましたなあ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...……と見る間にその下の茶色の毛襯衣(けシャツ)の下から...
夢野久作 「暗黒公使」
...あわやと見る間に新九郎目がけて真ッ向うに斬り下げて来た...
吉川英治 「剣難女難」
...と見る間にピラピラッと闇を縫って飛んだ投げ槍――ああ悪魔の毒槍...
吉川英治 「剣難女難」
...にわかに行く手を急ぎだした三挺(ちょう)の女乗物――見る間に...
吉川英治 「剣難女難」
...「ぷウッ……」と唇へ流れ込んだ血を吹いて、不意の助太刀をくわッと睨んだ小六が、追い討ちの大刀(だんびら)をふりかぶって飛びついたが、御方はそれに眼もくれず、今度は、こんがらの真正面の敵臂(ひじ)の久八へ斬りつけて、戞然(かつぜん)とたッた一合、見る間に、相手の鍔(つば)を割って、ばらッと柄手の指を斬り落す...
吉川英治 「剣難女難」
...見る間に、こんがらは当て身を食った...
吉川英治 「剣難女難」
...両手で顔を覆ったと見る間に...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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