...掛け値があると見るから値切る...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...見るからに粗末な借家普請(ぶしん)で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...見るからに小柄な貧弱きはまる痩せつぽちだが...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...食べようじゃないか」「うむ」十日ばかりというもの風ほこりも立たず雨も降らず小春といってもないほど暖(あった)かな天気のつづいた今年の年暮(くれ)は見るから景気だって...
近松秋江 「うつり香」
...見るから花車婆(やりてばあ)さんのような顔をしていた...
近松秋江 「狂乱」
...西洋の肉売る店の前を過ぎて見るから恐しい真赤(まっか)な生血(なまち)の滴(したた)りに胆(きも)を消した私は...
永井荷風 「監獄署の裏」
...牛舍は見るからに美しく整頓してゐた...
「修道院の秋」
...見るからに爽やかなたたずまいでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...見るからに怖ろしい形相になつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...見るからにつまらない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あらゆる点で近代的の要素に恵まれた見るからに清新な明るいモダン娘で――久保の憧れに一致する女性型であつた...
牧野信一 「階段」
...見るからに外国製らしい銀色の十字型の短刀を夫人から渡されると...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...それを参考にして論文を書いて見るから……とナカナカ頑強で熱心なのです...
夢野久作 「能とは何か」
...なるほど碧眼(へきがん)紅毛の異人種だがりっぱな風采は見るから神医の感をうける...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あの見るからに閑雅(かんが)な門のある一構えが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...見るからに濃艶な粧(つく)りをしていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...見るからにスピードの出そうな...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...見るからにほの白く褪(あ)せてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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