...吾人の力のあらゆる発展を意味せざる幸福は極めてつまらなく見ゆるであらう...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...少しく可能なるが如く見ゆること無きに非ざるも...
高木敏雄 「比較神話学」
...烈風、衣服はおろか、骨も千切れよ、と私たち二人の身のまわりを吹き荒(すさ)ぶ思い、見ゆるは、おたがいの青いマスク、ほかは万丈の黄塵に呑まれて一物もなし...
太宰治 「二十世紀旗手」
...こっちの話を浪の実家(さと)に伝えてもらえば要は済むというふうの明らかに見ゆれば...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...但だ太陽は其の行星に對せる位置こそ定住不變には見ゆれ...
内藤湖南 「學變臆説」
...安永頃の俳書『名所方角集(めいしょほうがくしゅう)』に富士眺望と題して名月や富士見ゆるかと駿河町(するがちょう)素竜半分は江戸のものなり不尽(ふじ)の雪立志(りゅうし)富士を見て忘れんとしたり大晦日(おおみそか)宝馬十余年前(ぜん)楽天居(らくてんきょ)小波山人(さざなみさんじん)の許(もと)に集まるわれら木曜会の会員に羅臥雲(らがうん)と呼ぶ眉目(びもく)秀麗なる清客(しんきゃく)があった...
永井荷風 「日和下駄」
...天人が抜け出したように見ゆる」「ははあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...今左に正治三年より建仁三年まで吾妻鏡に見ゆる日數を示すべし正治三年(建仁元年)正月...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...やみ夜もある物を千里のかち跣足(はだし)に誠意(まこと)は其時こそ見ゆれ...
一葉 「暗夜」
...ロココ風に見ゆるしなをつくつて彼の傍らにすゝみました...
牧野信一 「ひとりごと」
...今目の下に見ゆる闇の中にも殊に黒きは森なり...
正岡子規 「花枕」
...今一つ同じ『雑宝蔵経』巻六に見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...クロステル街のあたりは凸凹(とつあふ)坎(かんか)の処は見ゆめれど...
森鴎外 「舞姫」
...明らかに見ゆるが...
森鴎外 「舞姫」
...許都の援軍が徐州の境まで着いたと見ゆる」と察して...
吉川英治 「三国志」
...この甲州に織田家の兵馬が充満(みちみ)ちて見ゆるは...
吉川英治 「新書太閤記」
...「城の北隣りに見ゆるあの大屋根は...
吉川英治 「新書太閤記」
...北南あけはなたれしわが離室(はなれ)にひとり籠れば木草(きぐさ)見ゆなり青みゆく庭の木草にまなこ置きてひたに靜かにこもれよと思ふめぐらせる大生垣の槇の葉の伸び清らけし籠りゐて見ればこもりゐの家の庭べに咲く花はおほかた紅(あか)し梅雨あがるころをしいんとした日の光を眼に耳に感じながら靜かに居るといふことは...
若山牧水 「樹木とその葉」
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