...雪のやうな肌が燃え爛れるのを見のがすな...
芥川龍之介 「地獄變」
...そうして愛子の挙動を爪(つめ)の先ほども見のがすまいとした...
有島武郎 「或る女」
...めったに見のがすことはありません...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...あるいはヤマネズミがその冬ごもりから思い切って出てくるのを見のがすまいと待ちかまえる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...一かけらをも見のがすまいとして細い箸の先で...
辻村もと子 「春の落葉」
...寺院や僧侶の存在が経済的社会的もしくは政治的現象として見のがすべからざるものであったに拘(かか)わらず...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...子どもたちが見のがすわけはない...
壺井栄 「二十四の瞳」
...画家が絵の具とカンバスで神品を生み出すのと比べるとかなりな相違があるのを見のがすことはできない...
寺田寅彦 「映画芸術」
...常人が見のがすような機微の現象に注意してまずその正しいスケッチを取るのが大切である...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...目前にいる横顔の当人を平気で見のがすプロバビリティもかなりにありそうだと思った...
寺田寅彦 「自画像」
...寒暑の接触を雷雨の成立条件と考えているのも見のがすことができない...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...見のがすこっちゃねえ」ガラッ八は二つの眼玉を剥(む)いて見張りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見のがすような平次ではなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...老眼にも見のがす筈はありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして自分の周囲には多くの目が芥一本も見のがすまいと自分等の行動を見守って居る事を考えると...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...拙者等を誰と見まちがえたのか? 言え! それを言わねば見のがす訳に行かね...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...二度共見のがすようなことは無い...
森鴎外 「雁」
...しかしここには見のがすことのできない危険があります...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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