...家の慘状(みじめさ)を見るに見かねて...
石川啄木 「足跡」
...傍(そば)に居た喜野が見かねて...
泉鏡花 「歌行燈」
...氏一人を見かねてとびこんで来た河田(かわだ)軍医と二人で...
鈴木三重吉 「大震火災記」
...主人の北条時頼(ほうじょうときより)も、見るに見かねて、「おい、青砥...
太宰治 「新釈諸国噺」
...このたび仲間の窮迫を見かねて金十両ずつ出し合って救ったとは近頃めずらしい美挙...
太宰治 「新釈諸国噺」
...けれど母親の苦しい家計を見かねて五円渡してしまったので...
田山花袋 「田舎教師」
...母親と大きな声でいい諍(あらそ)ったりするのを見かねて...
近松秋江 「霜凍る宵」
...墓地向うの家(うち)の久さんの子女(こども)が久さんを馬鹿にするのを見かねて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それを澄子は見かねて...
豊島与志雄 「変な男」
...お銀様が見かねて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分は見かねて、六階にいる男もじつはルウレットの研究をしているのだが、十年もやってようやくものになりかけているそうだという話をした...
久生十蘭 「黒い手帳」
...それァ無理だ」孝助たちが見るに見かねて手伝おうといいだした...
久生十蘭 「ノア」
...見るに見かねて、雪之丞、歯を噛むと、帯の間の懐剣を、ギラリと引き抜いて、立木の蔭を飛び出すと、タ、タ、タと、近づいて、「御免!」と、一声、額にかざした紫電のひらめき――「親分、お逃げなさい!」と、呼びかけるなり、突くと見せて斬る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私はただ見るに見かねて話の中つぎをしてあげてるだけで...
三好十郎 「猿の図」
...見るに見かねて俺あ...
三好十郎 「樹氷」
...私の恋を受けてくださるのか、受けてくださらないかを」女王の乳母の娘で侍従という気さくな若い女房が、見かねて、女王のそばへ寄って女王らしくして言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...玄徳は見るに見かねて...
吉川英治 「三国志」
...ある人が見かねて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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