...飛び出してからまもなく繰り返し鳴いてそれきりあとは鳴かないらしく見える...
寺田寅彦 「疑問と空想」
...問題の絶対性を裏書きするかのように見えるかも知れない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...お世辞屋にさえ見えるのは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...眼に見えるのは彼等だけだが...
豊島与志雄 「囚われ人」
...いつもならば向河岸(むこうがし)の屋根を越して森田座(もりたざ)の幟(のぼり)が見えるのであるが...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...よくこの辺に見える薬の行商体(てい)の人でありまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...一層に青白く見えるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...場所といふのはつひこの間まで女芝居のあつた莚圍ひの假小屋で芝居の折とやゝ違つて見えるのは...
長塚節 「撃劍興行」
...浮き浮きと弾んで美しく見える内地女の顔を近藤は羨しそうに呆(ぼ)んやりと眺め...
中村地平 「霧の蕃社」
...見えるものは、裸の岩山と、細長く入りこんだ峡湾(フヨルド)だけである...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...一人者で薄眼が見えるようですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...或(ある)いはむしろ道徳の社会性というが如き理論は現代に特徴的な偽善をかばうためにことさら述べられているようにさえ見えるのである...
三木清 「人生論ノート」
...見まいとしても顔の見える恐ろしさに...
宮本百合子 「或日」
...苦しそうに見える玉鬘(たまかずら)に同情して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...羊腸とした道が星明りにもきれぎれに白く見える...
吉川英治 「江戸三国志」
...敵の大将旗が見える辺まで近づいたが...
吉川英治 「私本太平記」
...牢城営の管営(かんえい)(奉行)と差撥(さはつ)(牢番長)がこれへ見えるんだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...名ほどのこともないと見えるぞ」「誰に対しても...
吉川英治 「宮本武蔵」
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