...その間非常に望ましい経過を取っているらしく見えた容態は三日目の夕方から突然激変した...
有島武郎 「或る女」
...三軒の家が見えてきた...
伊藤左千夫 「河口湖」
...舟は底から小山の上にでも持ちあげられたやうに見えた...
田山録弥 「島からの帰途」
...「向うの部屋には何にも見えはしませんよ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...一人の人影も見えない幽鬼めいた渡し舟が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この男はどうも判断のつき兼ねるところがあったと見え...
中里介山 「大菩薩峠」
...あわや袁に躍りかかるかと見えたが...
中島敦 「山月記」
...築山の右手に松の植込が十四五本その四五本がカリンの木に邪魔をされて見える...
長塚節 「我が庭」
...山上の城によくある隠(かくし)井戸らしく見えるが...
野村胡堂 「古城の真昼」
...ミセスN流のものゝうちで最も簡単な料理や菓子の作り方に就いて余程熱心な質問を発してゐると見えて...
牧野信一 「ライス・ワッフルの友」
...かすかに燈(あかり)が見えて来ました...
宮原晃一郎 「ラマ塔の秘密」
...軒の間から見える山の傾斜の道をたくさんの炬火(たいまつ)が続いておりて来るのを見るために尼たちは縁の端へ出ていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...生徒たちは長いあいだ歩いてきたと見えて...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...そして暫して彼の電車と擦れちがつて來た電車に乘る彼女が見えた...
横光利一 「悲しみの代價」
...甲軍の陣営はいまや全く消滅直前のすがたに見えた...
吉川英治 「上杉謙信」
...あそこに沢山人が見える」「ほんとに...
吉川英治 「江戸三国志」
...(木美子というのは十八九に見えるけど...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...この人っ子一人見えぬ...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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