...長い間住んだ土地を別れて来るに就いてのいろ/\の追懐や覊絆(きづな)もあつた...
田山花袋 「朝」
...一年ぐらゐかういふ世離れたところにじつとしてゐたい? 世の中の覊絆(きづな)からすつかり離れて?』『本当だ……それが出来れば結構だけども……...
田山録弥 「島からの帰途」
...この世の覊絆(きはん)と濁穢(じょくえ)を脱ぎ捨てるという心持ちもいくぶんあるかと思われる...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...人の霊魂は不覊(ふき)独立(どくりつ)なもの...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...本質は不覊奔放な研究家という処にあるだろう...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...この独立不覊なるものがどんなに高価につこうとも...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...或は誤りて不覊粗放の人物と認むるものなきに非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...フラマン人は西班牙(スペイン)政庁の覊絆(きはん)を脱するや最近十九世紀の文明に乗じて一大飛躍を試みたる国民たり...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...源兵衛が覊絏(はづな)を牽(ひ)いて通りました...
夏目漱石 「草枕」
...何人も独立不覊とは云ひ得ない...
平田禿木 「趣味としての読書」
...その放縦不覊(ほうしょうふき)世俗の外に卓立(たくりつ)せしところを見るに...
正岡子規 「俳人蕪村」
...しかし社会の覊絆が破れれば各部分はばらばらになってしまって...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...なおさらあらゆる覊絆(きはん)を脱したわけであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...不覊塵累...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...然るにかねて契つた敬軒は官事に覊(き)せられて別を告げ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...時間の覊絆(きはん)を離れたるものならでは...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
......
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...たちまち激情を発しるだけでなく――それを実行せずに措(お)かないといったような不覊(ふき)奔放な性格の持ち主を...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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