...余りに不覊なる豪骨を有したりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...韜晦(とうかい)して終(つい)に天涯の一覊客として興津(おきつ)の逆旅(げきりょ)に易簀(えきさく)したが...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...われは全く人生の覊絆(きはん)を脱却して...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...一年ぐらゐかういふ世離れたところにじつとしてゐたい? 世の中の覊絆(きづな)からすつかり離れて?』『本当だ……それが出来れば結構だけども……...
田山録弥 「島からの帰途」
...三千年独立不覊(ふき)の国...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...できるだけ独立不覊の態度をとり...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...内閣は彼れを覊束するの威力なきなりと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...いつもボロドテラを引つかけて居るので一見鼻持もならないのであるがその仲間には聞えた本所竪川の龜といふので磊落不覊とでもいはふか酒ばかり飮んで居る...
長塚節 「我が庭」
...我利私慾(がりしよく)の覊絆(きはん)を掃蕩(そうとう)するの点において...
夏目漱石 「草枕」
...時間性の覊絆を脱することの不可能は明かである...
波多野精一 「時と永遠」
...皆その脂臭を嗅いで覊絆(きはん)を托(たくえい)驚走す...
南方熊楠 「十二支考」
...いわんや心にも礼なく形にも礼なく放埒不覊(ほうらつふき)にして長上を軽んじ先輩を侮(あなど)る如きは人の道を外れたる禽獣行(きんじゅうこう)のみ...
村井弦斎 「食道楽」
...此身覊絆奈難従...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...不覊塵累」が活きるのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...吁嗟かくばかり覊軛ある世に...
横瀬夜雨 「花守」
...山覊舟行(さんきしゅうこう)数十日...
吉川英治 「三国志」
...そこには教会の覊絆を脱した近世の精神が力強く動いていたとしても...
和辻哲郎 「鎖国」
...君主と高ぶり奴隷と卑しめらるるは習慣の覊絆に縛されて一つは薔薇の前に据えられ他は荊棘の中に棄てられたにほかならぬ...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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